
- [米国/南アフリカ(南ア)]3月30日付のニューヨーク・タイムズ紙によると、米政権は南ア在住のアフリカーナー(オランダ系白人)を難民として受け入れるプログラムの第一ステージを立ち上げ、米国への移住に関心を有する8,200人の審査を行っているとのこと。この難民受け入れの発表は、「南ア政府がアフリカーナーから農地を没収し、人権侵害を行っている」とのトランプ大統領による主張に基づくもの。他方で同紙は、トランプ大統領就任前に難民認定された、全世界で約2万人を数える難民の入国を事実上停止している一方で、南アのアフリカーナーを例外的に新規に受け入れる方針は露骨な人種差別だとする意見があることも併せて報じている。
- [米国]農務省が2025年度の主要作物の作付計画について調査結果を発表。米国農家は今春、トウモロコシの作付面積を前年比5%増やし、大豆を4%減らす。南米大豆の増産と貿易戦争激化で、輸出依存度が相対的に低いトウモロコシの増産は広く予想されていたが、低価格・高コストで総面積が伸び悩み、トウモロコシの比重が高まる。実際の栽培面積は作付期の天候や価格、政策動向にも左右される。トランプ政権が中国船に入港料を課した場合、輸出コスト増加につながる。
- [日本]日本銀行「短観」によると、大企業製造業の業況判断指数(「良い」ー「悪い」)は+12と、前回12月(+14)から低下した。悪化は4四半期ぶり。前回の見通し(+13)も小幅に下回った。大企業非製造業は+35であり、前回見通し(+28)に反して前回(+33)から2四半期ぶりに上昇した。人手不足が継続し、生産・営業用設備の過剰感も解消されている。仕入価格の上昇から販売価格の引き上げや、一段の物価上昇が予想されている。
- [米国]3月31日、米通商代表部(USTR)は、2025年版外国貿易障壁報告書を発表した。同報告書は、米国企業の輸出や投資の障害となっている他国の政策・慣行を挙げるもので、毎年、大統領と議会に対して提出される。2025年版では昨年に比べると、中国やEUに割いたページ数が増した。日本に関しては、産業用充電池とデジタル・プラットフォーム規制に関する項目が新たに盛り込まれ、再生可能エネルギーの項目では、持続可能な航空燃料(SAF)についての言及が増えている。
- [米国]第二期トランプ政権以降、不法移民や麻薬の密輸を防止するために、国境管理がより厳しくなっている。国境管理の厳格化の影響もあって、新たな密輸品が押収されるようになっている。テキサスの国境警備官は、メキシコから到着した車両内で、持ち込みが禁止されているメキシコ製ソーセージを大量に押収した。庶民に人気のCHIMEXのソーセージは、主に豚肉で作られており、独特の風味が消費者を引き付けている。しかし、肉に病原が含まれる可能性があるため、多くの国では加工未加工を問わず、無許可での肉類の持ち込みは禁じられている。それでもリスクを冒して持ち込もうとするのは、メキシコ国内は15ドルほどの商品だが国境を越えた米国市場では120ドルで販売されることもあり、密輸者にとっては高い利益を生むものとなっている背景もある。しかし、密輸として摘発され、ソーセージを破棄の上、1,000ドルの罰金を支払うことになった者もいる。豚肉だけではなく、グアバ、マンゴー、サツマイモ、サトウキビなどの生鮮食品も禁止されており、罪に問われると1万ドルの罰金が科されることもある。
- [中国]中国共産党機関誌『求是』最新号は、巻頭に習近平総書記が2024年6月に行った演説「科学技術強国という壮大な目標に向かって前進する」を掲載した。2035年までに世界的な科学技術強国になるという中国の戦略目標を実現するため、①強力な基礎技術と独創的なイノベーション能力、②主要なコア技術(開発)に取り組む強力な能力、③科学における強力な国際的影響力とリーダーシップ、④高度な人材を育成し、引き付ける強力な能力、⑤強力な統治システムと世界トップクラスのイノベーション生態系、を構築するとしている。
- [オーストラリア]3月28日、アルバニージー首相が総選挙を5月3日に行うと発表した。下院(定数151)の全議席と上院(定数76)の40議席が改選対象となり、下院で過半数を獲得した政党が政権を担う。現在の議席数は与党・労働党77、野党・保守連合53。世論調査では両勢力の支持率は接戦となっており、いずれも単独過半数を獲得できない可能性がある。選挙戦では生活費の高騰への対策が最大の争点になると予想され、アルバニージー政権は3月25日、予算案で所得減税、無料医療の拡大、学生ローンの返済免除等を発表していた。
- [欧州/中央アジア]2025年4月4日、欧州連合(EU)と中央アジア5か国の首脳による第1回首脳会議が、ウズベキスタンの首都サマルカンドで開催される予定。コスタ欧州理事会議長とフォン・デア・ライエン欧州委員会委員長が代表として今回の首脳会議に参加し、各国の首脳との個別会議も行う予定である。
Pick up
- 社長コラム 2025年03月24日
- 崩れゆく世界秩序
- 調査レポート 2025年03月17日
- 追加利上げと追加関税
- 調査レポート 2025年03月12日
- 関税では解決しない
- 調査レポート 2025年03月11日
- 非鉄金属市況(2025年2~...
What's New
- 2025年04月01日 お知らせ
- 「社長メッセージ」を更新しました。
- 2025年03月27日 調査レポート
- 「ガザ停戦・人質返還合意の第1段階が終了したが、第2段階に進めず」 中東フラッシュレポート(2025年2月後半号)
- 2025年03月24日 社長コラム
- 崩れゆく世界秩序
- 2025年03月17日 調査レポート
- 追加利上げと追加関税
- 2025年03月12日 調査レポート
- 関税では解決しない
- 2025年03月27日 調査レポート
- 「ガザ停戦・人質返還合意の第1段階が終了したが、第2段階に進めず」 中東フラッシュレポート(2025年2月後半号)
- 2025年03月24日 社長コラム
- 崩れゆく世界秩序
- 2025年03月17日 調査レポート
- 追加利上げと追加関税
- 2025年03月12日 調査レポート
- 関税では解決しない
- 2025年03月11日 調査レポート
- 非鉄金属市況(2025年2~3月):新たなデカップリング
- 2025年02月25日 アジア・オセアニア
- オークランド/ニュージーランド ~ニュージーランドとマオリ:最新の政治動向~
- 2025年02月05日 中東・アフリカ
- ダルエスサラーム/タンザニア ~「ポレポレ」(のんびり・ゆったり)の豊かな国~
- 2025年01月23日 アジア・オセアニア
- バンコク/タイ ~世界中の人々を惹きつける多様な魅力~
- 2024年12月06日 北米
- カルガリー/カナダ ~エネルギーの一角を担っています~
- 2024年10月31日 中南米
- リマ/ペルー ~もう“素通り”させない ミラフローレス地区の魅力~
SCGRランキング
- 2025年3月24日(月)
『東洋経済ONLINE』に、米州住友商事会社ワシントン事務所調査部長 渡辺 亮司のコラムが掲載されました。 - 2025年3月19日(水)
一般社団法人企業研究会主催『経営戦略担当幹部交流会議』にて、当社シニアアナリストの石井順也が講演しました。 - 2025年3月17日(月)
オンライン経済メディア『NewsPicks』に、プロピッカーとして当社シニアアナリスト 石井 順也のコメントが先週8本掲載されました。 - 2025年3月17日(月)
日経QUICKニュース社の取材を受け、当社シニアエコノミスト 鈴木 将之のコメントが掲載されました。 - 2025年3月14日(金)
日本貿易会主催の第2回JFTC New Executive Program(J-NEP)にて、当社国際部長 シニアアナリスト 浅野 貴昭が講演しました。