- [ブラジル/人民元の浸透]ブラジルと中国の関係は、従来の大豆や鉄鉱石といった資源貿易の枠を超え、金融や通貨の分野にまで広がりつつある。近年では、中国の銀行や決済システム、さらには人民元が、ブラジルの金融システムの中に徐々に浸透しつつあり、両国の関係はドルだけに依存しない新たな段階に入りつつある。
米国との貿易摩擦や政策の不確実性が高まるなかで、ブラジルは資金調達や貿易決済、外貨準備の通貨構成を多様化しようとしている。その結果、人民元の存在感が徐々に増している。2023年以降、人民元はブラジル中央銀行の外貨準備高においてユーロを上回り、第2位の保有通貨となった。依然としてドルの比率が約80%と圧倒的に大きいものの、ブラジル当局が、安定性や流動性の観点から、人民元への信頼を高めていることを示す。
また、実務面でもインフラ整備が進んでいる。ブラジルの銀行の一部は、中国の国際決済システムであるCIPS(人民元建ての国際決済ネットワーク)に直接接続し、中国企業との間で人民元建て融資を実行している。さらに、中国の大手銀行がブラジル国内に拠点を設け、人民元による決済や金融サービスを提供し始めている。これにより、中小企業でも人民元での取引が徐々に可能になっている。
こうした動きは債券市場にも及んでいる。ブラジル政府は人民元建て国債、いわゆる「パンダ債」の発行に向けた手続きを開始した。ドル以外の通貨での資金調達手段を拡充する狙いがある。あわせて、ユーロ建て債券の発行を再開するなど、特定の通貨に依存しない資金調達戦略を強化している。
さらに、貿易では、2009年以降、中国はブラジルにとって最大の貿易相手国であり、大豆、鉄鉱石、原油などの主要輸出品の最大の購入先である。一方で、ブラジルも中国から工業製品などを大量に輸入している。また、投資においても、中国はブラジルへの投資も拡大しており、近年はEV(電気自動車)や再生可能エネルギーへの投資も増加している。
ただし、人民元の利用拡大は、依然として限定的な段階にある。人民元建てで支払われるブラジルの輸入額は年間約40億ドル程度にとどまり、総輸入額の約1%に過ぎない。しかし、この中国との関係強化は米国の警戒を招く可能性があり、地政学的なリスクを高める要因にもなり得る。さらに、人民元には資本規制が存在し、為替の自由度もドルほど高くないため、人民元建て資産の保有や借入は、為替リスクや流動性リスクを伴う。
それでも、ブラジルと人民元の関係は、各分野で着実に深まっている。その規模はまだ限定的ではあるものの、変化の方向性は不可逆的で、今後どの程度のスピードで進むかが注目されている。
- [NY連銀/期待インフレ率の高まり]NY連銀の6月の「消費者期待調査」によると、1年先の期待インフレ率は3.7%となり、5月(3.5%)から上昇した。直近で最も低かった2月(3.0%)から4か月連続で上昇して、2023年9月以来の高さになった。5月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比+4.1%となり、2023年4月以来の高さになっており、足元の物価高騰が先行きの予想にも反映されている。
また、3年先の期待インフレ率は3.3%であり、3~5月(3.1%)から上昇し、2022年6月以来の高水準になった。それに対して、5年先の期待インフレ率は3.0%で、2025年9月と同水準だった。中期の期待インフレ率はまだ安定している。
個別の品目を見ると、1年先のガソリン価格は+1.5%となり、5月(+5.8%)から大幅に低下した。米国とイランの停戦合意などを受けてエネルギー価格が低下している。実際、全米自動車協会(AAA)によると、レギュラーガソリン価格(平均)は直近ピークの5月11日の1ガロンあたり4.5ドルから足元の7月6日の3.7ドルにかけて低下している。もっとも、米国とイスラエルによるイラン攻撃前の2月末には2.9ドルだったことに比べると、価格水準はまだ高い。その他では、1年先の医療サービスや家賃などの見通しが5月から上方修正されており、先行きの物価上昇を予想させている。
一方、失業確率(平均)は14.1%と5月(15.1%)から低下し、失業後3か月以内の就職確率(44.9%)は上昇した。雇用統計で6月の失業率が4.2%へ低下したように、雇用環境の底堅さがうかがえる内容だった。ただし、自発的な退職確率(17.3%)は5月(20.8%)から低下しており、必ずしも強くない労働市場の現状を表している。
中期の期待インフレ率が安定し、雇用環境は総じて底堅く推移しているものの、一部に懸念が残る内容だった。短期の期待インフレ率は依然として上昇しており、労働市場が「低解雇・低採用」で安定していることもうかがえたからだ。これらは、中東情勢次第であるものの、米国内でショックがどのように吸収されていくのか引き続き注意が必要だ。
- [日本/毎月勤労統計調査(5月)・家計調査(5月)]7月7日に総務省が発表した5月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は32万345円となった。名目では前年同月比+1.3%だが、物価変動の影響を除いた実質では▲0.4%で、2025年12月から6か月連続のマイナスとなった。
前年同月比で減少した項目としては、自動車等購入の▲53.7%が主因となり自動車等関係費で▲21.6%。
光熱・水道は▲7.6%。内訳では電気代が▲7.7%と、エアコンなどの使用が減ったことが影響したとみられる。
教養娯楽は▲3.1%と7か月ぶりのマイナスとなった。前年は大阪・関西万博の盛り上がりがあり支出が伸びたことによる反動減等が要因とみられる。中東情勢や円安もあり、旅行支出が抑えられた。
一方、増加した項目として、食料は+2.4%と4か月ぶりのプラスとなった。外食(+8.9%)や調理食品(+3.4%)が増加したのは、前年より休日日数が多かったことによるとみられる。価格高騰の落ち着いたコメは▲6.0%と昨年11月から7か月連続でマイナスとなった。
家具・家事用品は+23.0%と7か月連続プラス。内訳では、エアコンの2027年4月からの省エネ基準導入前の買換え需要による増加(+65.6%)や、中東情勢の影響によるポリ袋やラップの買い溜めも続いているとみられる。
また、2人以上世帯のうち勤労者世帯に絞った5月の実収入は53万4,893円となった。前年同月比は名目で+2.4%、実質(消費者物価指数(持ち家の家賃換算分を除く総合)によって実質化したベース)で+0.7%となり、5か月連続でプラスとなった。勤労者世帯の消費支出は35万3,443円。実収入から税金や社会保険料などを差し引いた可処分所得のうち、消費支出に回した割合を示す平均消費性向は86.1%で、前年同月比▲1.5ポイントとなった。
引き続き物価高による節約志向は続いているが、コメへの支出が減り、外食や調理用品への支出が増えるなど、生活に応じた消費傾向がみられる。
- [中国/生成AI政策方針の転換]中国政府は最先端AIモデルの海外からのアクセスを制限することを検討していると報じられている。これまでは自国のAIモデルを無償公開することで世界でのシェア拡大を実現してきたが、今後は技術流出を防ぐ「国家安全保障」重視へと大きく政策方針を転換しようとしている。規制対象には、アリババやバイトダンスなどが提供しているダウンロード可能な既存のモデルや、未公開の最先端モデルも含まれる様子。単なる利用禁止にとどまらず、技術漏えいの犯罪化、海外投資家の出資制限、モデルの能力に応じた段階的なセキュリティ審査の導入などが協議されていると伝えられている。
米国がセキュリティを理由に自国AI(Anthropic社(米AI企業)など)の利用を制限し始めた動きに対し、中国も自国の技術を国家資産として囲い込む形で対抗と受け止められている。高性能AIの出力結果を用いて別のAIを育成する「蒸留」手法をめぐり、米国の開発元が中国からのアクセスを検知・遮断する措置を強めており、相互の技術分断が加速している状況だ。安価で高性能な中国製AIに依存していた世界中の開発者やスタートアップは、より高額な代替システムへの移行を迫られることになり、開発コストは上昇すると目される。自社環境にダウンロードし、自由にカスタマイズして商用利用するビジネスモデルが根底から覆るリスクも浮上するだろう。他の製品で進んでいるように、グローバル企業においては「中国国内のチーム」と「海外のチーム」で利用できるツールが分断されるため、開発環境の二重化や連携コストが新たに発生することも想定される。投資家にとっては中国系AIスタートアップへの出資が制限される可能性が高く、資金調達のエコシステムが変化することになるだろうし、AI周辺の部材や機械まで幅広く影響を受けることになりそうだ。
- [中国/原油価格を左右する変数]7月7日、イランがホルムズ海峡付近で船舶3隻を攻撃し、米国がイラン原油販売許可を撤回するなど、中東情勢は不安定さを増している。原油先物市場は需給緩和を織り込み下落していたが、足もとでは急反発している。一方、現物市場ではこのところ、湾岸産油国の供給回復を背景とする販売競争が強まっている。サウジアラムコは8月積みアラブライト原油のアジア向け公式販売価格(OSP)を、オマーン・ドバイ平均に対して1バレル▲1.5ドルのディスカウントへ大幅に引き下げた。指標価格そのものの下落に加えて、調整金部分でも前月比で▲11ドルもの引き下げとなる。
こうした中、中国の動きが改めて注目されている。ホルムズ危機後、中国は原油輸入を大幅に削減し、アジア市場の供給逼迫を和らげる予想外の要因となった。しかし価格下落を受け、中国の独立系製油所が制裁対象外の中東原油を積極的に購入していると報じられている。中国がカタール、サウジ、UAE、イラクなどから7~8月納入分で少なくとも2,600万バレルを購入したとの推計もあり、サウジのOSP引き下げも中国を含むアジア需要の取り込みを意識した動きとみられる。一方で、中国が中東原油に買いを入れることで、競合するイラン産やロシア産原油には下押し圧力がかかっている。ロシアではウクライナによる製油所攻撃により国内精製能力が大幅に低下し、原油輸出が増える一方、ウラル原油のディスカウントは拡大している。
もっとも、湾岸地域への配船コストや輸送リスクも高く、イランやロシアの原油については制裁リスクがあることから、価格が大幅に下落してもアジアの買い手には慎重姿勢が残るとの指摘もある。また、中国の原油輸入需要減少はEVシフトなどの構造的な需要低下も一因となっており、今後の中国の需要回復度合いが今後の原油価格を大きく左右するとの見方も多い。
- [カザフスタン/トカエフ大統領再選の可能性]7月7日、カザフスタン憲法裁判所は、1日に発効した新憲法の下で、現職のトカエフ大統領が次期大統領選に出馬が可能との判断を示した。新憲法では大統領任期を「7年・1期限り」と定めるが、憲法裁は旧憲法下での任期は新制度では対象外と解釈し、事実上の「任期リセット」を認めた。これにより、2029年の大統領選でトカエフ大統領が再選を目指す可能性が浮上した。最長で2036年まで政権を維持できる道が開かれた。
トカエフ政権はこれまで「再選なし」の制度を政治改革の成果として強調してきたが、今回の判断は同氏の長期政権継続の選択肢を残すものとなる。旧ソ連圏ではロシアやウズベキスタンでも改憲を通じた任期リセットの前例があり、権力維持を目的とした措置との見方も出ている。もっとも、トカエフ大統領自身は現時点で次期選挙への出馬を表明していない。
- [フランス/極右ルペン氏、大統領選出馬表明]フランス極右政党・国民連合(RN)のルペン氏は、欧州議会の資金を党職員の給与などに不正流用した横領事件に問われている。長らく同氏の大統領選出馬を阻むとみられていたこの裁判だが、控訴審は有罪判断を維持しつつも、刑期を禁錮3年、執行猶予2年に短縮し、電子タグにより、1年間は監視下に置くとした。また、被選挙権の停止期間を、1審の5年から15か月に大幅に短縮した(同停止期間は、1審判決時から起算されるため、すでに15か月間が経過した計算となる)。
これにより2027年春に予定されている大統領選挙に出馬できる道が開かれ、ルペン氏は判決後直ちにテレビ出演し、4度目となる大統領選への出馬を宣言した。
控訴院は出馬の道を開いた一方で有罪判決を維持していることから、ルペン氏は引き続き無実を主張し、電子タグを着用しての選挙活動を回避するため、最高裁判所への上告を発表。上告によって刑の執行は即座に一時停止されるが、最高裁が判断を下すとみられる2027年1月は選挙戦の佳境にあたり、それまで最終的な判断が持ち越されるという点で、非常にリスクの高い「政治的ギャンブル」となっている。
ルペン氏の出馬が危ぶまれる中、RNでは世論調査でルペン氏をしのぐ人気を集めていたバルデラ党首(ジョルダン・バルデラ)が、事実上の大統領候補として台頭していた。しかし今回、ルペン氏は自らの出馬を強行し、バルデラ氏を将来の「首相候補」に指名して二人三脚で選挙戦に臨む姿勢を示した。これは、ルペン氏が独自路線を歩み始めたバルデラ氏をけん制し、党全体への影響力を維持し続けるという一面があると指摘されている。
ルペン氏・バルデラ氏の両者の間には政策的な違いが表面化している。ルペン氏は保護主義的で国家介入や福祉を重視し、ポピュリスト的な路線を取っている一方、バルデラ氏は、ビジネス寄りの姿勢を示し、伝統的な右派や保守層の取り込みを図っている。大統領候補となったルペン氏が最終決定権を持つ中で、今後の選挙戦に向けてこれらの路線をどうすり合わせていくかが焦点となる。
- [米軍によるイラン再攻撃]7月7日、ホルムズ海峡を巡る米イラン対立は再び軍事衝突へと発展した。発端となったのは、イランが6日夜から7日朝にかけて、ホルムズ海峡を航行中の3隻の商船を相次いで攻撃したとされることである。攻撃対象には、カタールのLNGタンカーやサウジアラビアの原油タンカーが含まれたとされ、英国海事貿易作戦局(UKMTO)も、オマーン沖でタンカーが正体不明の飛来物に命中し火災が発生したことを確認した。イラン側は、これらの船舶がイランの指示する北側航路を使用せず、米国が推奨するオマーン側の南側航路を航行していたことを問題視したとみられている。
これを受け、米中央軍(CENTCOM)は、商船への攻撃は6月に締結された米イラン了解覚書(MoU)に対する重大な違反であるとして、ホルムズ海峡周辺への大規模な報復攻撃を実施した。米軍は約4時間にわたり80か所以上の標的を精密攻撃し、イラン海軍の拠点であるバンダル・アッバース、商船攻撃の拠点とされるゲシュム島、さらに海峡東側の戦略港シリクなどを攻撃した。標的には革命防衛隊の防空システム、沿岸監視施設、対艦ミサイル、ドローン発射拠点などが含まれ、米当局によれば、今回の攻撃規模は約10日前の空爆の4~5倍に達したという。
今回の衝突の背景には、ホルムズ海峡の航路を巡る米イラン間の対立がある。イランは、自国が管理する北側航路の利用を船舶に求める一方、米国は安全確保のためオマーン側の南側航路の利用を推奨している。従来の中央航路は機雷敷設の懸念から使用できず、航行ルールは本来、MoU締結後の協議で整理される予定だった。しかし、イランが南側航路を利用した船舶への攻撃を強行し、米国も大規模な軍事行動で応じたことで、停戦の枠組みは大きく揺らいでいる。
軍事面に加え、米国は経済面でも圧力を強化した。米財務省は7月7日、6月末に60日間認めていたイラン産原油の販売に対する制裁免除措置を撤回し、イランの石油輸出を再び制限すると発表した。ワシントンは「イランが覚書を履行しない限り、経済的利益は得られない」と説明しているが、イランはこれを覚書違反だとして強く反発し、「徹底的な報復」を警告した。さらに、カタールとサウジアラビアも自国タンカーへの攻撃を国際法違反として非難し、カタールはイラン外交官を呼び出して正式に抗議した。
今回の軍事衝突が一時的な報復にとどまるのか、それとも6月の停戦枠組みが崩壊し全面対立へと再び発展するのかは、今後のイランの対応が大きな鍵を握っている。
- [ケニア/ダンゴテ製油所]7月7日、ナイジェリアのダンゴテ・グループはケニアのラム島に日量最大70万バレルの製油所を新設すると発表した(7月7日、Bloomberg、ロイター)。建設には3~5年を要する見込みで、同社によると約170億ドルの建設費用は内部保留のほか、社債、同社傘下のダンゴテ・ペトロリアム・リファイナリーの新規株式公開(IPO)による調達等によって賄われる予定だと説明している。また、ケニア政府も同製油所への出資の意向を示している。
ダンゴテ社は2024年に総額200億ドル規模の日量65万バレルのアフリカ最大の製油所をナイジェリアのラゴス近郊で稼働させた。イラン情勢により中東産石油の供給が不安定化する中、タイミングよく精製施設が最大出力に達した同社は石油精製品の輸出を加速させている。さらに2028年までにナイジェリアでの精製能力を140万バレルまで拡大させる予定だ。
他方で、これまで地理的な近さから中東産石油に依存してきた東アフリカ域内では燃料価格の上昇を受けて、製油所新設の声が高まっていた。こうした状況から、同社のアリコ・ダンゴテCEOは5月にタンザニアないしケニアでの製油所の建設を検討していると述べていた(5月6日、FT)。当初はケニア最大の商業港であり、休業中の製油所があるモンバサでの建設が有力視されていたが、「商業的・技術的」理由によりラム島が選定されたと同社は説明している。なお、ラム島は内陸国のエチオピア、南スーダンをつなぐ「LAPSSET回廊」の起点であり、ケニアと米軍の共同空軍基地が置かれている場所だ。製油所が完成すれば、依然として原油のほとんどは域外からの調達が必要となるものの、東アフリカ諸国は石油精製品の輸入依存度を軽減させることができる。
ダンゴテ・グループは2000年代前半にナイジェリアでのセメント生産から事業を拡大。創業者のアリコ・ダンゴテ氏は当時のオバサンジョ大統領に対してセメントの国内生産を進める代わりに、セメントの輸入規制や税制措置を求めるなど、政府との関係の深さを利用してビジネス拡大に成功した人物だ。現在ダンゴテのセメント生産工場はアフリカ11国にまたがり、燃料小売、尿素肥料生産、食品(砂糖、塩)生産などを行うナイジェリア最大のコングロマリット企業に成長した。アリコ氏の個人資産は304億ドルに上り、フォーブスのアフリカ富豪ランキングで1位だ(6月24日、FT)。同氏が提唱する「輸入代替政策」に基づく事業拡大はナイジェリアに留まらない。エチオピアでの尿素肥料生産プラントのほか、ナミビアのヴォルビスベイ港の石油貯蔵施設から内陸国のボツワナ、ザンビア、ジンバブエを結ぶ全長2,500kmのパイプライン・プロジェクトも具体的な検討を進めるなどアフリカ全土で圧倒的な存在感を示している。
- [中国南部で洪水被害拡大]中国南部で台風や豪雨による洪水・土砂災害が相次ぎ、当局が警戒を強めている。 今年第10号台風「メイサーク」の影響で、中国南部を流れる珠江水系(広東省の省都・広州周辺を流れる中国有数の河川流域)では大規模な増水が発生した。珠江の主要支流で、広西チワン族自治区から広東省へ流れる西江では2026年で2回目の洪水が発生し、同じく広西を流れる支流の郁江でも今年(2026年)初の洪水が確認された。
広西では、西江本流や複数の支流を含む計52河川で警戒水位を超えた。特に清水河(広西中部を流れる河川)では、観測開始以来最大規模の洪水となった。西江流域の主要都市である貴港市(広西東部)や、広東省との境界に近い梧州市(西江中流の主要都市)では、水位が警戒水位を6メートル以上も上回り、堤防による防御能力の限界に近づいている。水利部は「洪水オレンジ警報」を発令し、広西チワン族自治区と広東省の住民に対し、避難準備や不要不急の外出自粛を呼び掛けた。
習近平国家主席は洪水対策に関する重要指示を出し、広西に加え、中国中部の湖北省や北西部の甘粛省でも豪雨や強風に伴うダム決壊や土砂災害が発生し、人的被害や経済的損失が生じていると指摘した。その上で、救助活動、負傷者の治療、住民避難、二次災害の防止を徹底するよう求めた。また、河川・湖沼、老朽化したダム、地滑りの危険地域などの点検を強化するとともに、監視・警報体制の強化を指示した。李強首相も、極端気象の頻発を踏まえ、防災体制の強化を求めた。
さらに、新たな台風「バービー(巴威)」も中国沿岸部に接近しており、影響が懸念されている。中国気象局によると、進路上の海面水温が高く、豊富な水蒸気の供給や上空の気象条件が重なったことで、台風が急速に発達しやすい環境となっている。
中国では現在、例年6~8月に当たる「主?期」(本格的な洪水シーズン)に入っており、華南(広東・広西など)を中心に、台風、集中豪雨、河川洪水、土砂災害が同時に発生する複合災害のリスクが高まっている。
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