メルボルン/オーストラリア ~誰もが楽しめる多彩なメルボルン~

2022年07月22日

オーストラリア住友商事会社 メルボルン事務所
芳賀 幸

> English Version

 メルボルンは人口500万人を超えるオーストラリア第2の都市であり、今もなお成長を続けています。統計学の専門家の予測によると、2020年代の終わりまでにメルボルンはシドニーを抜いてオセアニア最大の都市になるとされています。メルボルンは、温和な気候と手頃な価格で使える地域コミュニティの施設やインフラを併せ持つことから、世界で最も住みやすい都市のトップ10によく選ばれています。メルボルンには他にどのような魅力があるのでしょうか?

 

 

スポーツ観戦の都

全豪オープンの会場となるロッド・レーバー・アリーナ(写真提供:坂田茜)
全豪オープンの会場となるロッド・レーバー・アリーナ(写真提供:坂田 茜)

 メルボルンは、スポーツのライブ観戦が好きな人が住むのに最適な場所です。テニスの4大大会(グランドスラム)の一つである全豪オープン(2019年・2021年に大坂なおみが優勝)、自動車とバイクのF1グランプリ、世界で最も高額賞金のかかった競馬レースの一つであるメルボルンカップ、キアヌ・リーブスが出演した 『Point Break』(邦題:ハートブルー)などの映画で有名なベルズビーチでのサーフカーニバルなどが開催されます。

 

MCGで行われたAFLの試合(写真提供:坂田 茜)
MCGで行われたAFLの試合(写真提供:坂田 茜)

 

また、メルボルン・クリケット・グラウンド(MCG)では、10万人以上の観衆を前にオーストラリアン・フットボール(AFL)やクリケットなどの地元スポーツが行われています。実際、「メルボニアン」(地元っ子たちは自らをそう呼ぶ)はスポーツ狂で、年間の祝祭日のうち2日が、AFLの決勝戦とメルボルンカップという大きなスポーツイベントの日になっています。このようなことは、きっと世界の他の町ではみられないと思います。

 

 

 

多文化の都・食の都

1854年に開業したフリンダース・ストリート駅(写真提供:坂田 茜)
1854年に開業したフリンダース・ストリート駅(写真提供:坂田 茜)

 1835年に英国からの植民者たちがメルボルンに到着するまで、4万年以上前からオーストラリア先住民がこの地の伝統的な管理者でした。19世紀にはゴールドラッシュにより、人口が爆発的に増加しました。この間、メルボルンで最も有名な歴史的建造物の多くが、英国から呼び寄せた建築家によって建てられ、メルボルンの町並みには、ヨーロッパの香りが漂うようになりました。

 

 メルボルンには、何度かにわたり移民の波が押し寄せました。ゴールドラッシュの時代には、中国人がメルボルンにやってきました。その結果、メルボルンには1世紀以上にわたって強力な中国人コミュニティと大規模なチャイナタウンが存在しています。その後、1950年代には南ヨーロッパからの移民、特にギリシャ人とイタリア人がメルボルンにやってきました。1970年以降はベトナム、そして最近では中東、インド、スーダンなどからアジア・アフリカ系移民が多くやって来ています。しかし、どこの国の出身であろうと、私たちは皆メルボニアンなのです。

 

巨大なステーキ (写真提供:Ferlina Taslim)
巨大なステーキ (写真提供:Ferlina Taslim)

 このような背景から、メルボルンではユニークな料理が生まれ、オーストラリアで最もおいしい料理が食べられる都市として広く知られています。中東風味を生かしたタイ料理や、ベトナム料理とイタリア料理が融合したような新感覚の料理は、あなたが今まで食べたことのない味で、毎晩いろいろトライしても飽きがこないでしょう。

 

 

 

地元の自然

 シドニーのような壮大なハーバーの景色はありませんが、メルボルンにはすばらしい自然がたくさんあります。全長243キロメートルに及ぶグレートオーシャンロードは、世界で最も壮大な海辺のドライブコースのひとつとされています。また、フィリップ島で夕暮れ時に行われるフェアリーペンギンのパレードは必見です。

奇岩「12使徒」、グレートオーシャンロード (写真提供: 坂田 茜)
奇岩「12使徒」、グレートオーシャンロード (写真提供: 坂田 茜)

 

 

 

日本とメルボルン

 メルボルンは、良品計画(無印良品)、ユニクロ、アサヒなどの有名な日本企業のオーストラリア本社所在地として選ばれています。日本人が経営するカフェやレストランも人気があり、みそ汁、納豆、梅干しなど、伝統的な日本の朝食を楽しむことができます。 また、毎年恒例の日本映画祭やメルボルン・ジャパニーズ・サマー・フェスティバルが開催され、日豪のコミュニティが一体となって盛り上がります。

 メルボルンはすばらしい町です。いつかオーストラリアを訪れる際には、ぜひメルボルンで数日間を過ごしてみてください。きっと後悔はしないと思います。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。