チェンナイ/インド ~文化の街と産業の集積地という両面を持つ国際都市~
チェンナイはタミルナードゥ州の州都で、以前はマドラスと呼ばれていました。「南インドへの玄関口」としても知られています。インドで四番目に大きな都市であり、南部で最も人気のある観光地の一つです。
チェンナイは、その伝統と文化遺産から、文化の街と呼ばれます。伝統的な食べ物からファーストフードまで、古代の寺院建築から現代の高層ビルまで、そして伝統音楽・舞踊から成長するナイトライフまで、古いものと新しいものが混然一体となり、ブレンドされた独特の文化を見せています。非常に多様な人たちを抱える近代的な国際都市でありながら、一方で歴史的な寺院などが放つ魅力を感じることができる都市でもあります。
チェンナイの伝統的な建築物は、その建築史において幅広い年代に及んでいます。ドラヴィダ様式で建てられた古代寺院には、パラヴァ朝、チョーラ朝、ヴィジャヤナガラ王国など、さまざまな時代のスタイルが含まれています。街の郊外にあるマハーバリプラムの寺院は、パラヴァ建築の一つです。
またチェンナイは、伝統的な古典舞踊と音楽が有名で、バーラタ・ナティヤムのような古典舞踊形式はよく知られています。伝統的な音楽、芸術、舞踊などに見られるタミルナードゥ州の芸術は、市民に浸透しています。
チェンナイには多くの美術館やアートギャラリーがあり、市内には国内で最も古い美術館・アートギャラリーの一つ、マドラスミュージアムがあります。
一方、産業に目を転ずると、チェンナイはインドの主要な自動車製造ユニットの存在により、「インドのデトロイト」というニックネームでも知られており、フォード、現代自動車、ルノー・日産、ロイヤルエンフィールドなどの大手自動車メーカー・二輪メーカーの製造施設のハブとなっています。住友商事が地場企業と共同でチェンナイ地区において展開する工業団地事業も、こうした製造業のニーズに応えるものとなっています。
チェンナイの公用語はタミル語です。地元の人々は主にタミル語を話します。第二の公用語は英語のため、主要な看板はタミル語と英語の両方で書かれています。
チェンナイは、外国人が最も訪問したインドの都市の一つで、2018年に世界で36番目に多くの人に訪問された都市としてランクインしました(2018年数値/ユーロモニター)。
生活の質(QOL)調査では、インドで最も安全な都市として評価されています。
ポンガルフェスティバルは、チェンナイで大規模に祝われる収穫祭です。農作物の収穫後(通常1~2月)、4日間にわたり行われます。気候的に快適なポンガルフェスティバルの時期にチェンナイを訪問し、「文化の街」と「産業が発達した国際都市」という両面を持つこの街の魅力を、ぜひ味わいに来られることをお勧めします。
記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。
SCGRランキング
- 2024年11月18日(月)
『Quick Knowledge 特設サイト』に、当社シニアエコノミスト 鈴木 将之のQuick月次調査・外為11月レビューが掲載されました。 - 2024年11月15日(金)
TBSラジオ『週刊・アメリカ大統領選2024(にーまるにーよん)』TBS Podcastに、米州住友商事会社ワシントン事務所調査部長 渡辺 亮司が出演しました。 - 2024年11月14日(木)
『日本経済新聞』に、当社チーフエコノミスト 本間 隆行のコメントが掲載されました。 - 2024年11月13日(水)
『朝日新聞GLOBE+』に、米州住友商事会社ワシントン事務所調査部長 渡辺 亮司のインタビュー記事が掲載されました。 - 2024年11月8日(金)
NHK World 『Newsline』に当社シニアアナリスト 浅野 貴昭が出演しました。