ルアンダ/アンゴラ ~意外に快適なルアンダライフ、ポテンシャルを秘めた国~
赴任前、「アンゴラのルアンダに赴任します」と友人たちに話したら、「アンゴラウサギのいるところか?」「大虐殺のあったところやろ、大変やな!」といったコメントを多くもらいました。これらはいずれも誤解です。アンゴラとアンゴラウサギは全く関係ありません。大虐殺があったのはルワンダ(Rwanda)という国であり、ルアンダ(Luanda)はアンゴラの首都です。また、「アンゴラは暑くて大変でしょう」とよく言われます。ルアンダは南緯約8度のところにありますが、意外と過ごしやすく、気温は夏で25~32度、冬は20~28度です。晴れた日に外に出るとさすがに強烈な暑さを感じますが、夜は風通しのよいところであれば、夏でもそう暑くはなく、エアコンなしでも過ごせなくはない、という感じです。これは大西洋を流れる寒流のおかげです。
ルアンダは大西洋に面した町ですが、その海岸線は単純な形ではなく、「Ilha do Cabo (イーリャ・ド・カーボ)」つまり「岬の島」、あるいは「Ilha de Luanda (イーリャ・デ・ルアンダ)」つまり「ルアンダの島」と呼ばれる突起があります。「島」といいながら、実は本土と地続きの細長い半島で、その幅は細い所で200メートル程度、長さは約6キロメートルです。この通称Ilha(イーリャ)が囲むようにしてルアンダ湾を形成していますが、湾内は波が穏やかで、ヨットやカヌーで遊ぶのに適した場所になっています。休日ここでウィンドサーフィンをやっていた駐在員もいたとか。
またMarginal(マルジナル)と呼ばれる湾沿いの地区には歩道が整備されており、朝に夕に、ルアンダ在住者の憩いの場、健康促進の場になっています。半島の外洋側は砂浜で、週末には地元の人たちの格好の遊び場になっています。砂浜沿いにレストランが建ち並び、そこで大西洋に沈む夕陽を見ながら、おいしいシーフードをつまみ、波の音を聞きながらVinho Verde(ヴィーニョ・ヴェルデ=緑ワイン、微発泡ワイン)を飲むひととき、アンゴラでの至福の時間を味わえます。シーフードでは、Arroz de Mariscos(アローシュ・デ・ マリシュコス)という、魚介のだしがたっぷり効いたシーフードリゾットが一押しです。
そんなルアンダで一番の楽しみといえば、ダンスです。リオのカーニバルで有名なサンバの源流はアンゴラにあるともいわれており、当地ではセンバ(Semba)と呼ばれています。また、キゾンバ(Kizomba)という男女が一組で踊るラテン風社交ダンスも人気です。街中にはたくさんのダンススクールがあり、地元の人や外国人駐在員が習っています。ラテンのダンスは、リズムに合わせて腰を動かすのが特徴ですが、これが外国人、特にアジア系の我々にはなかなか難しいです。週末の夜、Ilha(イーリャ)や市内のクラブ、ライブハウスはもとより、街中のちょっとした共用のスペースなどでも、地元の老若男女が音楽をかけて夜通しダンスを踊っています。
アンゴラは輸出の約95%が原油、GDPの約3分の1が石油関連産業ですが、40年前は世界3位のコーヒー輸出国で、農業にも大きなポテンシャルを秘めています。アフリカ第2の規模を誇るカランドゥーラの滝など観光資源にも恵まれており、今後、外食産業やエンターテインメントが一層洗練されれば、観光客も増え、ますますの発展が期待できます。そういった魅力と潜在可能性を備えた国なのです。
記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。
SCGRランキング
- 2024年11月18日(月)
『Quick Knowledge 特設サイト』に、当社シニアエコノミスト 鈴木 将之のQuick月次調査・外為11月レビューが掲載されました。 - 2024年11月15日(金)
TBSラジオ『週刊・アメリカ大統領選2024(にーまるにーよん)』TBS Podcastに、米州住友商事会社ワシントン事務所調査部長 渡辺 亮司が出演しました。 - 2024年11月14日(木)
『日本経済新聞』に、当社チーフエコノミスト 本間 隆行のコメントが掲載されました。 - 2024年11月13日(水)
『朝日新聞GLOBE+』に、米州住友商事会社ワシントン事務所調査部長 渡辺 亮司のインタビュー記事が掲載されました。 - 2024年11月8日(金)
NHK World 『Newsline』に当社シニアアナリスト 浅野 貴昭が出演しました。