アクラ/ガーナ ~自由と正義とチョコレートの国ガーナ~
皆さんはガーナの国旗を見たことがありますか?私もガーナの国旗が何を象徴しているのかは最近になって知りましたが、独立運動のために戦った人々の血を表す「赤」、国の鉱物資源と富を表す「黄」、森林と農地を表す「緑」の3色とアフリカの自由を象徴する「黒い星」から成り立つ、ジャマイカのポピュラー音楽「レゲエ」を感じさせるようなカラフルな国旗です。余談ですが、レゲエの神様ボブ・マーリーの奥さんであるリタ・マーリーは、1990年代から現在まで、慈善活動を続けながらガーナに住んでいるそうです。
ガーナは第二次世界大戦後の1957年、自由と正義を掲げたクワメ・エンクルマ氏の独立運動の結果、サブサハラ・アフリカで最初に植民地支配からの独立を成し遂げ、この独立がアフリカ諸国の独立運動のきっかけになったといわれています。金が採掘されることから、イギリス植民地時代には「黄金海岸(ゴールド・コースト)」と呼ばれていたこともあります。国名が「ガーナ共和国」になったのは1960年と、割に最近のことです。
そんなガーナという国名を聞いて真先に思い浮かべるのはチョコレート、という日本人がほとんどなのではないでしょうか。確かにガーナはカカオ豆の生産量が多い国ではありますが、生産量は世界第2位で、「カカオ/チョコの国」としては生産量第1位の隣国コートジボワールの方が、世界的には有名だったりします(出典:国際ココア機関(ICCO)カカオ統計2022/23第2刊)。
では、なぜ日本では「ガーナ=チョコ」というイメージが強いのでしょうか?理由は大きく2つあり、1つは日本が輸入しているカカオ豆の70~80%がガーナ産であるということです(出典:日本貿易統計)。ガーナでは、政府がカカオ豆の価格や品質を管理しており、安定した品質の豆の輸入が見込めることから、ガーナ産カカオ豆は日本の製菓会社などから好まれているようです。そしてもう1つは、間違いなく某製菓会社が自社製品のチョコレートに国の名前を付けて商品化したことでしょう。日本人なら誰もが知っているあのチョコレートですが、ガーナ人のほとんどはまさか自分の国の名前が有名チョコレートになっているとは知りません。
以前私が首都アクラから2時間ほどの村にあるカカオ農園を訪問した際、カカオ豆果肉(パルプ)を食べる機会がありました。日本には主にカカオ豆は乾燥・発酵された状態で輸入されるので生の果肉を食べることはもちろん、実物を見ることもなかなかないと思いますが、チョコレートのほろ苦い味からは想像できないくらい、甘酸っぱくフルーティーな味をしています。また、ガーナではチョコレートの副産物として、カカオ豆の殻を燃やした灰とシアバターを原料としたブラックソープという石鹸が流通しており、われわれになじみ深いチョコレートとはまた別に、カカオ豆はガーナ人の生活において欠かせない存在になっているのです。
ぜひガーナに、カカオ豆の魅力を体験しに来てください!
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