シリコンバレー/米国 ~テクノロジーとのどかな自然が共存するスタートアップの聖地~
米州住友商事 シリコンバレー店は、カリフォルニア州北部の「Bay Area」と呼ばれる地域にあり、Presidio Ventures Inc.、SCSK USAと同じ事務所に同居しています。日本ではこの地域について「シリコンバレー」という名称が使われますが、地元では「Bay Area」と呼ばれ、サンフランシスコ、オークランド、サンノゼなどの主要都市からなる域内人口は9百万人超と、全米で5番目の規模を誇り(*1)、有数のIT産業の集積地としても知られています。
(*1:2022年米国国勢調査データより)
スポーツの盛んな米国にあって、当地でもスポーツ観戦は盛んです。4~10月のMLB(野球)、9~2月のNFL(アメリカンフットボール)、10~4月のNBA(バスケットボール)・NHL(アイスホッケー)と、一年を通じて何かしら観戦が可能です。特に、MLBはAnaheim Angelsの大谷選手が観戦できるとあって、Oakland Athleticsの球場(Angel Stadium of Anaheim)では多くの日本人を見かけました。(残念ながら大谷選手はLos Angeles Dodgersに移籍してしまい、シーズン序盤に藤浪選手もBaltimore Oriolesに移籍してしまいました)。また、NFLの49ersのLevi's Stadiumが事務所の裏手にあり、試合後は必ず道路渋滞が発生します。今季も若手QBのBrock Purdy選手を中心にチームは好調で、Super Bowlへの出場、さらには優勝を期待したいところです。
Bay Areaには、「GAFA」と呼ばれる企業のうち、Google、Apple、Facebookの3社が本社を構えています。中でもGoogleは社外の人でも本社(HQ)敷地内への立入りが可能で、社員の憩いのスペースや、ビーチバレーコートも完備されているのを目にすることができます。2022年にオープンしたBay Viewという同社のキャンパスは、環境を意識した最先端の技術と洗練されたデザインを兼ね備えています。東京ドーム約3.6個分に相当する敷地には、オフィスビルに加え、1,000人以上収容できるイベントセンターや社員向けの宿泊施設もあります。明るく開放的なオフィスの屋根はDragonscaleと呼ばれ、9万個のソーラーパネルによりHQオフィス需要の約40%の電力を供給します。また併設された風力発電と合わせると、HQに必要な電力の約9割をまかなうことが可能です。敷地内で使う非飲料水は再利用。化石燃料から再生エネルギーへの移行を見据えて、キッチンや暖房はオール電化です。パンデミックが明け、ハイブリッド型でオフィスに戻る社員を、サステイナブルなオフィスで迎えています。
西海岸の自由な雰囲気やIT企業が集中していることもあり、このHQでは新しいビジネスやサービスを試す場所として使われることもよくあります。例えば、レジなしGrocery Storeの「Amazon Go」や、無人タクシーの「Waymo(Alphabet傘下)」、「Cruise(GM傘下)」などが見られます。これらのサービスにはまだまだ改善の余地があることから、一部閉鎖・運航停止となっているものもありますが、こういったトライアルには「失敗を恐れない」、「新しいものにチャレンジする」といった気質が根底にあるような気がします。
少し郊外に足を伸ばすと、ワインで有名なNapaやSonomaがあります。全米でも有名なOpus Oneや日本人オーナーのワイナリー、Kenzo Estateのほか、子連れでも行けるワイナリーもあり、家族連れでも楽しめます。また、Napaの北に位置するCalistogaという場所では、温泉を楽しむことができます。日本の温泉が恋しい私たちにとっては、とても魅力的です。
のどかな自然が多く、ゆったりと時間が流れている一方で、次から次へとスタートアップ企業が勃興するエネルギーに満ちあふれている、という側面も見られ、非常に不思議で魅力的な場所、それがBay Areaです。
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