リマ/ペルー ~インカ?!マチュピチュ?! いや、世界を惹きつける、美食の国ペルー~
• 結局、「食」
外国へ行ったときの楽しみと言えば、皆さんは何を思い描くでしょう。歴史的建造物の圧倒的な存在感でしょうか。都会の喧騒を忘れさせてくれる大自然の静寂かもしれません。博物館や美術館で偉大な先人に思いを馳せるのも良いですね。
お目当てのスポットをエンジョイしたら、あっという間にお腹が空いてくる時間です。ガイドブックで予習したレストランで、伝統料理という名の旅行客向け定番メニューを注文します。「いただきます。」の直後、こんな経験はありませんか? 「辛っ!」「苦っ!」「何これ? 魚?肉??」……しかしそこは調和を重んじる日本人、口を揃えて言うのです、「超おいしー!」。空気を読む能力が味覚を凌駕した瞬間、楽しかった旅行は終わります。帰りの飛行機で考えることはただ1つ、「成田着いたら何食べようかな」。
安心してください。私の勤務する国・ペルーでは、決してそのような思いはさせません。マチュピチュは素晴らしいです。ナスカの地上絵も最高です。しかし、ペルー1番の魅力は、そう、「食」なのです。
• 世界レベル、「La Comida Peruana (ペルー料理)」
このように聞くと、皆さん少し驚かれるかもしれません。それもそのはず、御存知のとおり、ペルーは世界でも有数の資源大国です。特に、銅、金、鉛、亜鉛と言った鉱物資源産業はペルー経済の中心で、年間総輸出額400億ドル弱のうち、半分以上をこれらの金属資源が占めています。そのため、あまりスポットライトが当たりませんが、ペルーでは、漁業や農業も非常に盛んで、例えば漁業では、アンチョビ(カタクチイワシ)の漁獲量/輸出量が世界1位ですし、農業では、アボガドやマンゴー、アスパラガスといった野菜/果物の世界的生産地となっています。
既に世界では、ペルー料理のレベルの高さが認知され始めています。例えば、英国の雑誌「レストラン」が毎年発表する「世界のベスト・レストラン50」では、ペルーのレストラン「Central」が4位にランクインしており、同じく「ラテンアメリカのベスト・レストラン50」では、ペルーのレストランが、なんと、1位(Central)、3位(Astrid y Gastón)、5位(Maido)にランクインしているのです。
• 日本人&ペルー料理、「相性抜群」
太平洋とアンデスに囲まれたペルーは、魚も肉もあり、野菜/果物も豊富。何と言っても味付けが絶妙で、日本人の味覚にぴったりです。19世紀後半に中国人移民により持ち込まれた中華料理は、チーファという名称で現地に根付き、日系コミュニティのたゆまぬ努力と50年前の日本の某大手調味料メ-カ-による市場進出で、アジアン・テイストはもちろん、日本人好みの味付けは、ペルー料理と完璧にFusion(融合)しています。
どこで何を食べてもハズレのないペルー料理ですが、最初に体験してほしいのは、何と言ってもペルー1番の国民食である「Cebiche(セビーチェ)」というマリネです。生魚をぶつ切りにして、たまねぎを少し加え、レモンやパセリで味を調えれば完成。一見シンプルな料理ですが、新鮮な魚にレモンの風味が加わり、まさにフレッシュという言葉が当てはまる一品です。
食事のお供にはぜひ「ピスコサワー」をご賞味ください。ピスコとは、ペルー原産のブドウの蒸留酒で、これにレモンと卵白を合わせてシェイクしたのが、ピスコサワーです。甘くて爽やかな口当たり、その飲みやすさからどんどん進んでしまいますが、アルコール度数は高めなのでご注意を。
ピスコサワーを片手に、太平洋を眺めながら新鮮なセビーチェに舌鼓……これこそペルー流至極の休日です。
魅力あふれるペルー料理ですが、日本ではまだまだメジャーな料理とは言えないかもしれません。しかし、だからこそ、日本から出張に来た方々から、「ペルーの料理っておいしいんだね」と言ってもらえることが何より嬉しく、駐在員冥利に尽きるのであります。
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