リオデジャネイロ/ブラジル ~Do as Cariocas Do! (リオに入ればリオっ子に従え)~

2019年07月26日

ブラジル住友商事会社 リオデジャネイロ支店
松原 英樹

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新リオ支店事務所からポン・ジ・アスーカルを望む(筆者撮影)
新リオ支店事務所からポン・ジ・アスーカルを望む(筆者撮影)

 「Copacaba~na♪」という曲の一節の鼻歌が、サンバのリズムが、そしてボサノバの旋律が、常に聞こえてきそうな常夏のリゾート、リオデジャネイロ。でも、そんな見かけのイメージはちょっと横に置いて、リオでの実際の生活とカリオカ(リオっ子)の知恵を垣間見てみましょう。

 

 

 

 

 

  • 盗賊から狙われないご当地ファッションとは
カリオカファッションの実例(筆者撮影)
カリオカファッションの実例(筆者撮影)

 世界有数の犯罪都市、リオデジャネイロ。ブラジルの年間国内殺人件数は6万人を超え世界一、総犯罪件数は日本の500~1,000倍といわれています。ひったくりや強盗を働く犯罪者の多くは、複数人でバイクなどに乗り、相談しながら目を付けるやいなや、さっと素早く犯行に及びます。

 狙われたくないが、おしゃれも楽しみたい。そんな時は、カリオカに倣って、派手でも一言では表現しにくい服を着てみてください。もしくは地味な色合いを選びます。どちらも簡単には注目されにくく、意外に安全性が高いことに気付くでしょう。実際、単色の赤い服などを着ていると襲われやすい傾向もあります。

 

 

  • 忍法『無念無想の術』~カリオカ流の時間のやり過し方とは
イパネマ海岸近くの目抜き通りで瞑想する屋台の軽食売り(筆者撮影)
イパネマ海岸近くの目抜き通りで瞑想する屋台の軽食売り(筆者撮影)

 土曜の午後、メインストリートとはいえ客もほとんどおらず、暇で退屈だなあ、というときに、カリオカの商売人が実践するとっておきの方法は、目を閉じ、何も考えず、ひたすら何時間でもぼやっと時をやり過ごすことです。交通機関が壊れて数時間はどうにもならない時など、ぜひ、われわれも実践してみましょう。

 

 

  • ドタキャン・突然の欠席はパーティ主催者に事前連絡しないのが礼儀?

 「あれ、R君、今日のパーティーに来ないな。来ると言ってたのに……」

 突然の欠席の場合、本人からはまず間違いなく連絡がありません。翌日必ず「すみません、なんとかして行こうと最後まで頑張ったのですが、どうしても事情が許さなくて……」と、説明(言い訳)があるはずです。そんな時は、異文化と多様性を認める"ダイバーシティとインクルージョン精神"を全開に、にこやかな笑顔で「そうか、大変だったね。次回またよろしく!」と明るく返しておきましょう。

 

 

  • 太陽がさんさんと降り注ぐはずのリオですが……
コパカバーナ・パレス・ホテル前の洪水(2019年4月)(筆者撮影)
コパカバーナ・パレス・ホテル前の洪水(2019年4月)(筆者撮影)

 "コパカバ~ナ!イパネマ!ビーチは天国!" いつも陽光が降り注ぐ南国の楽園のはずが……。

 理想と現実は常に違います。特に夏は週の半分は雨か曇りで、カラッと晴れる日はそんなに多くありません。ブラジルの下水処理システム普及率は約49%と南米でも最低レベルで、しばしば洪水に見舞われます。洪水は下水で細菌だらけ、決してジャブジャブと歩かずに、健康面には細心の注意が必要です。

 

 

  • 治安が悪いと悪名高いリオの歴史的中心街セントロ地区。でも食の中心は、やはりカオスなセントロ。
セントロ地区の名店 "ジュゼッペ・イタリアーノ"のワインセラー(筆者撮影)
セントロ地区の名店 "ジュゼッペ・イタリアーノ"のワインセラー(筆者撮影)

 「おいしいものが食べたいなあ。でもセントロは危なそうだし、土日には決して行くな、と言われているし、困ったなあ……」とはいえ、やはり昔ながらの名店はセントロにあります。表からは分かりにくくても、中に入ると立派な構えの店が幾つもあり、店内は安全です。

 訪れるならウィークデイの昼食時が狙い目です。ブラジル人の昼食は一般に午後1時過ぎからなので、正午頃に名店に出向いてみてください。たとえ予約無しでも笑顔で入れてくれる店が、少なくないと思います。

 

それでは、When in Rio de Janeiro, do as Cariocas do (リオに入れば、リオっ子に従いましょう)!

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