デイリー・アップデート

2024年4月3日 (水)

[アフリカ/中国] ボストン大学のレポートによると、中国とアフリカの貿易(輸出入)額は2000年の約117億ドルから、2022年には約2,577億ドルに増加した。2022年の中国向けの輸出の約4割が原油だった。また、同期間に中国は主に中国輸出入銀行(CHEXIM)を通じてアフリカ各国に約1,700億ドルを融資したが、2016年をピークに融資額は減少している。最も対中債務額が大きい国はアンゴラ(約210億ドル)で、次いでエチオピア(約67億ドル)だった。なお、2020年~2022年の中国からのグリーンフィールド投資とM&Aの総額は約1,369億ドルで、うち約400億ドルが銅をはじめとする鉱山開発に向けられた。

[ミャンマー] 4月2日付の国営紙「グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマー」によると、軍政は、2024年度(2024年4月~2025年3月)に貿易収支を黒字に転換する目標を掲げている。目標値として、輸出額を167億ドル、輸入額を163億ドルとし、2023年度の目標のそれぞれ165億ドル、160億ドルから両方とも引き上げたが、貿易黒字は5億ドルから4億ドルに引き下げた。2023年度通年の実績は未公表だが、商業省の発表によると、2023年4月1日~2024年4月22日では、輸出が前年同期比▲11.8%の143億1,200万ドル、輸入が▲10.7%の151億4,400万ドルとなり、貿易赤字が8億3,200万だった。

[米国] 労働省「雇用動態調査(JOLTS)」によると、2月の求人件数は875.6万件だった。前月から0.8万件増と、3か月ぶりに増加した。失業者1人あたりの求人件数は1.36件となり、1月の1.43件から低下した。また、採用件数は581.8万件となり、前月から12万件増加した。自発的な離職件数も2か月連続増加して348.4万件になった。米国の雇用環境は堅調に推移しているといえる。

[スペイン/パレスチナ] 4月1日から3日間にわたって中東を訪問中のスペインのサンチェス首相が、4月2日、2024年前半にパレスチナを国家として承認することを目指すと発表した。スペインは2009年からパレスチナ国家承認の動きがあり、サンチェス首相は2023年11月にファラで国家承認を表明した。2024年3月にもアイルランド、マルタ、スロベニアと共同で再度表明しているが、スペイン政府がその具体的な時期を明示したのは初めて。

[イスラエル/パレスチナ] 4月1日、ガザ中部の海岸沿いの道路を走行中の米国の援助団体ワールド・セントラル・キッチン(WCK)の車両にイスラエル軍による空爆が直撃し、7人のWCK関係者が殺害された。殺害された7人のうちの1人はパレスチナ人のドライバーで、残り6人は外国人(英国人3人、オーストラリア人、ポーランド人、米・カナダ二重国籍者各1人)。イスラエル軍参謀総長は、軍による誤爆を認めビデオ声明で謝罪した。バイデン米大統領やスナク英首相は、イスラエルに対し早期の綿密な調査と調査結果の公表を求めている。

[ブラジル] ボルソナロ前大統領は、2022年大統領選挙決選投票でルーラ氏に敗北して再選に失敗したが、ルーラ氏勝利の選挙結果を覆そうとする大統領令の草案に関与した疑いで現在捜査対象となっており、今後逮捕される可能性が浮上している。2月8日、ブラジル連邦警察はボルソナロ氏の住居を家宅捜索して査証(パスポート)を押収した。同氏は5月のイスラエル公式訪問のためにパスポート返却を申請したが、3月29日、連邦最高裁は同申請を却下した。

[米国] 米国のアルミ加工業界から不満が伝えられている。2020年から2022年に、アルミ押出材の需要は26%増加したものの、米国企業も、業界に関わる16万人の労働者もその恩恵を受けていないという。アルミ押出業界は、今後の需要増大に向けて再投資し生産能力を国内に回帰させるか、もしくは中国など海外企業による市場価格を下回る製品のシェア拡大を許し、市場シェアを失う米国企業が労働者を解雇するか、岐路に立たされている。業界団体は全米鉄鋼労働組合(USW)と協力し、連邦政府にアンチダンピングと相殺関税を課すように求めており、商務省などによる調査は数か月以内に完了する予定だ。しかしその間も市場環境はさらに悪化しており、メキシコ、コロンビアやアジア諸国などに対する関税賦課が急務、と業界団体は主張している。

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