デイリー・アップデート

2024年4月23日 (火)

[マレーシア] 4月22日に開始されたスタートアップの会議「KL20サミット」で、経済省は同日22日、「KL20アクションペーパー」という包括的ロードマップを発表した。このロードマップは、2030年までにクアラルンプールを世界のスタートアップ・ハブのトップ20に押し上げることを目的としている。また、半導体産業のエコシステム強化を目指し、首都圏スランゴール州に東南アジア最大級のIC設計ハブを設置する意向を記した覚書も交わされた。署名者には、ラフィジ・ラムリ経済相、ゴビンド・シンデオ・デジタル相、チャン・リーカン科学・技術・革新相らが含まれている。

[日本] 財務省の『全国財務局管内経済情勢報告』によると、全国の景気判断は「緩やかに回復しつつある」に据え置かれた。国内11地域のうち、関東、北陸、東海の3地域の景気判断が下方修正され、8地域は据え置かれた。個人消費は、物価上昇を背景に食料や日用品を節約する一方で、ハレの日消費は底堅く、宴会や旅行なども回復してきた。生産活動では自動車を中心に減産圧力がかかっている中で、雇用を巡っては人手不足が継続している。

[BRICS] 4月18日付のロシア・インターファクスの報道によると、ロシアはBRICS農業作業部会の初会合で、BRICSの穀物取引プラットフォームの創設構想を提示した。ロシアの穀物輸出業者連合が2023年12月にロシア農務省に行った提案を一歩進めるもの。歴史的に小麦・トウモロコシなどの市場では米国が圧倒的シェアを持ち、世界の穀物は米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の価格を指標として取引され、米ドルを決済通貨としてきたが、現在は既にBRICSが世界の小麦・トウモロコシの生産・消費の4割前後を占めている。米国中心の現状システムでは、BRICSは世界の穀物市場の価格形成に完全には参加できないため、BRICSで統一的な取引・清算インフラの構築を目指すもの。実現性は不明だが、ロシアが「脱米国」を進めようとしている新たな一例。

[エクアドル] 4月21日に実施された国民投票では、ノボア大統領が提案した11の項目のうち9つが承認された。大半の項目で支持を得たものの、すべてが承認されたわけではなく、政局の先行き不透明感を払拭するほどの結果ではないと考えられ、政権の経済改革への不透明感が高まった。

[米国] ジョンソン下院議長は超保守派共和党下院議員らが強く反対していた対ウクライナ追加軍事支援法案を民主党下院議員らとともに下院本会議で賛成多数で可決させたことに対して、既に下院議長解任動議を提出しているグリーン下院議員(共和党)が猛反発している。4月21日に出演したFox Newsの日曜政治討論番組で、グリーン氏は改めてジョンソン氏の辞任を要求するとともに、下院議長解任動議の下院本会議での採決を求める考えを表明した。

[EU] 4月22日のEU外相会合で、ボレルEU上級代表がウクライナへの防空システム供与の緊急のニーズを強調したものの、Patriot(地対空ミサイル)保有国は正式に供与を表明しなかった。特に4月26日に予定されているウクライナ軍事支援会合(ラムシュタイン会合)での何らかの発表が見込まれるが、供与圧力がかかっているとみられるギリシャは否定。一方、中東情勢に関しては、イランに対する新たな制裁に関する政治合意があったと発表されている。

[中国/欧米] FT紙は、欧米の製薬会社が中国の反スパイ法強化により必要な認証が行えないという問題に直面しており、中国で製造されるジェネリック医薬品のサプライチェーンがさらに悪化する可能性があると報じている。中国は世界有数の医薬品有効成分と抗生物質の製造拠点になっているが、中国のサイトでデータを収集する外国人が「スパイ」とみなされ得る懸念があり、欧米の検査官が訪中を拒否しているほか、米食品医薬品局の一部の検査官は、中国の製造現場への立ち入りを拒否されていることもあり、EUや米国への輸出に必要な認証・監査に支障が出ている。

[インドネシア] 4月22日、憲法裁判所は、2月14日の大統領選で敗北したアニス・バスウェダン前ジャカルタ特別州知事とガンジャル・プラノウォ前中ジャワ州前知事の両陣営による異議申立ての訴えを棄却した。両陣営は、同大統領選で勝利したプラボウォ・スビアント国防相の副大統領候補として出馬したギブラン・ラカブミン氏(ジョコ大統領の長男)の出馬資格の認定の違法や選挙不正を主張していた。今回の判決によりプラボウォ氏の当選が確定した。同氏は10月20日に大統領に就任する。

[イスラエル] イスラエル軍参謀本部諜報局トップのハリバ局長が、2023年10月7日にガザのイスラム主義組織ハマスによるイスラエル急襲を防ぐことができなかった責任を取って辞任することを発表した。10月7日の事件の責任を取ってイスラエル軍高官が辞任するのは初めて。同事件では、イスラエル人約1,200人が1日で殺害され、約250人がガザに人質として連れ去られた。以降イスラエルは、半年以上にわたりガザに対する空爆と軍事作戦を続けており、ガザでのパレスチナ人の死者は34,000人、負傷者は77,000人を超える。

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