デイリー・アップデート

2023年12月7日 (木)

[香港/インド] 世界各地で株価が高騰する中、香港株は冴えない値動きが続いている。ハンセン指数は2022年11月以来の安値水準へ。一方で12月5日、資金流入が続くインドの株式市場時価総額が初めて4兆ドルに達し、世界4位の香港株式市場の時価総額は4.7兆ドル未満となっていることから、その差は大きく縮まっているとブルームバーグは報じている。

[アジア] S&Pグローバルは、11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)を発表した。好不況にばらつきがある結果となった。節目である50を上回ったのは、中国(50.7)、インド(56.0)、インドネシア(51.7)、フィリピン(52.7)、韓国(50.0)だった。一方、マレーシア(47.9)、台湾(48.3)、タイ(47.6)、ミャンマー(48.1)は節目割れだった。ミャンマーでは、2021年2月の政変に端を発した国内事業環境の悪化に加え、10月末以降、北東部など各地での国軍と少数民族、民主派武装勢力との衝突による治安悪化で先行きへの不透明感が懸念され、新規受注などが大幅に減少し、低迷に拍車がかかった。

[ユーロ圏] EU統計局(Eurostat)によると、10月のユーロ圏の小売売上高は前月比+0.1%となり、4か月ぶりに増加した。食品は▲1.1%と2か月ぶりに減少した一方で、非食品は+0.8%と3か月ぶりに増加した。通信販売は+2.2%と3か月ぶりに増加したものの、7月の水準を下回っている。物価高騰に伴う実質購買力の低下などから、個人消費が弱い状態が2023年第4四半期でも継続しているとみられる。

[ロシア/中東] 12月6日、プーチン大統領は、アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアを相次いで訪問して首脳会談を行ったが、引き続き12月7日にはモスクワでイランのライシ大統領とも会談する予定である。プーチン大統領はそれぞれの首脳と原油価格の安定やエネルギー分野の協力などについて協議し、UAE・サウジ・イランの中東3か国との連携を強化する狙いで、ウクライナへの軍事侵攻で対立を深めるアメリカなどに対抗する動きを強めている。

[中国] 12月6日、国家発展改革委員会は二つの解説を発表した。一つは、「中国経済の回復、未来の見通しは明るい」、もう一つは、「民営経済の回復、発展が持続的に安定」である。当面の経済情勢、将来の発展見通し、民営経済の政策措置の実施状況などを解説している。その中で、「中国経済は2023年に入り、下押し圧力に耐え、全般的に回復・好転し、依然として世界の経済成長に対し最大のエンジンになっている」とし、「民営企業が経済発展の推進における重要な役割を担っている」と説明している。

[米国] 10月3日に超保守派共和党下院議員8人の造反で米国史上初めて下院議長を解任されたケビン・マッカーシー下院議員は、12月6日、Wall Street Journal紙オンライン版に寄稿し、任期を全うせずに2023年末に議員辞職する意向を表明した。今後について、共和党の党勢拡大に向け、優秀な人材発掘などに関与していく方針を明らかにしている。マッカーシー氏の下院議長解任後、下院議長代行に就任していたパトリック・マクヘンリー下院議員も、今期限りでの引退を表明した。

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