2023年12月13日 (水)
[スペイン/欧州] スペイン全土の気温が12月の記録を更新し、南部では暖気が流れ込み30℃を超えたことが話題に。気象庁のデータによると、欧州大陸全域で平年よりも気温が高い傾向が続いており、スキーなど冬のレジャー・スポーツ業界への打撃が懸念される。暖冬の影響はエネルギー需要にも影響し、価格は下落基調へ。(さようなら、ホワイトクリスマス。)
[米国] 労働省によると、11月の消費者物価指数は前年同月比+3.1%となり、上昇率は10月の+3.2%から小幅に縮小した。おおむね市場予想通りの結果だった。一方で、食品やエネルギーを除くコア指数は+4.0%となり、10月と同じだった。物価上昇率は縮小しているものの、インフレ目標2%との距離がまだ残っている。12月の連邦公開市場操作委員会(FOMC)で政策金利が据え置かれ、市場では2024年の利下げ開始時期がやや後ずれしたとみられている。
[イスラエル/パレスチナ] 12月12日、国連総会でエジプトが提出したガザでの即時停戦を求める決議案が、日本を含む153か国の賛成で採択された。米国やイスラエルなど10か国が反対、英、独、伊、ウクライナなどは棄権した。10月下旬に同会でガザにおける人道的休戦を求める同様の決議案が出された時に比べ、賛成に転じた国が32か国も増えたことで、国際社会がより停戦支持に傾いていることが明らかになった。今後、イスラエルと同国を強く擁護する米国に対して、国際社会からの圧力がさらに強まることが予想される。
[米国/ウクライナ] 12月12日、ウクライナのゼレンスキー大統領はワシントンを訪れ、バイデン大統領と会談を行った。バイデン大統領は、ウクライナ支援の姿勢を改めて強調し、米議会に対して支援パッケージを速やかに可決するよう求めた。ゼレンスキー大統領は議会指導部とも会談し、支援の継続を訴えた。議会共和党は、ウクライナやイスラエルに対する追加支援を認める代わりに、メキシコとの間の南部国境警備強化も図るようバイデン政権に求めており、議会が支援策を年内に承認することは難しいとの観測が強まっている。
[米国] 2024年共和党大統領候補指名獲得争いの幕開けとなるのは、1月15日に党員集会が実施されるアイオワ州である。NBC Newsは12月2日~7日の6日間、共和党党員集会に参加する可能性の高い共和党支持者502人を対象にした最新世論調査を実施し、大統領候補の「第一の選択肢」として、トランプ氏が過半数を上回る51%に達しており、2位のフロリダ州デサンティス知事の19%に対して、32ptもの大差をつけていることが判明した。
[ウクライナ] 12月11日、国際通貨基金(IMF)理事会は、ウクライナへの156億ドルの融資プログラムから9億ドルを拠出することを承認した。IMFの経済審査によると、2023年のウクライナの実質GDP(国内総生産)は前年比+4.5%と、2022年の▲29.1%から急回復する見込み。2024年も、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中で、3~4%の成長率を確保する見通しである。
[韓国/オランダ] 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は12月11~14日にかけ、国賓としてオランダを訪問している。韓国大統領がオランダを国賓訪問するのは1961年の国交樹立以降初めて。尹政権はオランダと半導体同盟を構築することを目的としており、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子会長や崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長が同行している。12月12日、尹大統領はウィレム・アレクサンダー蘭国王とともに半導体製造装置大手ASML本社を訪問した。また、両国間における半導体分野の協力に関する了解覚書(MOU)が締結された。
[中国] 12月11日~12日、中央経済工作会議が北京で開催され、2023年は経済が回復に転じたとの認識を示す一方で、需要の低迷、多くの隠れたリスクの存在などを指摘し、これらの問題を解決しなければならないとした。また、2024年は、安定のなかでの前進を堅持し、改革開放の深化、科学技術の自立自強、内需拡大と供給側の構造改革、農村の振興などによる質の高い発展とハイレベルの安全保障をベースとして、経済の活力を増強させるとした。一方、今回の会議に対し「弱体化する経済を刺激するための積極的な動きを示すものはない」との指摘もある。
[インド] 12月12日、統計・計画実施省が発表した2023年11月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+5.55%となり10月に比べ0.68pt加速した。インド準備銀行が設定するインフレ目標である2~6%の範囲内に3か月連続で収まった。また、同日同省が発表した2023年10月の鉱工業生産指数(IIP)は、前年同月比+11.7%となり、9月の+6.2%から大幅に伸び、2022年6月以来16か月ぶりの高水準となった。
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