2025年4月4日 (金)
[中南米] 中南米諸国に対する米国の相互関税は、ほかの地域との比較では相対的に低い10%の追加関税にとどまった(エクアドル12%、ガイアナ38%など例外あり)。しかし、これは外交努力や戦略的利益を反映したものではなく、一次産品の輸出国が多かったという要因が大きい。また、以前に発表された自動車関連や鉄鋼・アルミなどの関税は引き続き適用され、メキシコやブラジル、アルゼンチンなどへの影響は大きく、今後も対米貿易に関する懸念は続くとみられる。
[米国/アフリカ] 4月1日、米国務省はレバノン系米国人実業家のマサド・ブーロス氏を、アフリカ担当大統領上級顧問に任命した。同氏はトランプ米大統領の次女・ティファニー氏の義父で、中東担当の同職と兼任する。ブーロス氏は4月3日からコンゴ民主共和国(DRC)、ルワンダ、ケニア、ウガンダの初外遊を開始。最初に訪れたDRCではフェリックス・チセケディ大統領と会談を実施した。ブーロス氏はDRC東部で悪化している治安情勢にはほとんど触れず、「DRCの鉱業部門における米国民間企業の投資を促進したい」とビジネス面での関係強化の意向を強調した。
[米国/ロシア] 4月2日、プーチン大統領の側近で政府系ファンド「ロシア直接投資基金」のドミトリエフ総裁が米ワシントンを訪問し、米高官らと協議した。協議内容は明らかになっていないが、ドミトリエフ氏は2日、X(旧Twitter)に「政治的な立場がどうであれ、米国とロシアの対話は重要だ。それは、すべての人にとってより安全で、より繁栄した世界を築くことにつながるからだ」と投稿した。
[日本] 総務省によると、2月の実質消費支出(2人以上の世帯)は前年同月比▲0.5%と、3か月ぶりにマイナスに転じた。ただし、2024年2月のうるう年の影響を考慮すると+1.8%であり、3か月連続のプラスとなった。また、2月の実質総消費動向指数(CTI)は前年同月比+1.0%と9か月連続のプラス、前月比も+0.1%と2024年11月から2025年1月までの横ばいから小幅に加速した。個人消費はやや上向きとなっていたもよう。
[原油] サウジアラビア・ロシアなどOPEC+加盟の8か国はOPEC+全体の生産調整に加えて、日量計220万バレルの自主減産を行ってきたが、4月から減産縮小に着手し、4月は日量13.8万バレル増産予定。4月3日の会合では、5月に増産幅を同41.1万バレルに引き上げることを決定した。カザフスタンなどの過剰生産への対応、トランプ氏が早ければ5月にもサウジを訪問すること、イラン・ベネズエラへの制裁強化が想定されることなどが背景にあるが、トランプ関税で動揺している市場に新たなネガティブサプライズとなり、ブレント原油は1バレル70ドルを割り込んだ。
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