デイリー・アップデート

2023年1月6日 (金)

[イスラエル/パレスチナ] 1月3日、イスラエルのベン・グビール国家治安相が、エルサレム旧市街のアル・アクサー・モスクのあるエリア(ユダヤ教徒は神殿の丘と呼ぶ)を、多くの警備員に守られながら訪問した。同エリアはイスラム教第3の聖地であるが、ユダヤ教徒にとっての聖地でもある場所。前首相で現在議会内最大野党の党首であるラピード氏は、「ベン・グビール氏の訪問は暴力の発火点となりうる」と警告を発し、パレスチナ自治政府の外務省も同大臣の同地訪問を強く非難した。

[ブラジル] 昨年10月30日に実施されたブラジル大統領選挙の決選投票で、ボルソナロ大統領の再選を僅差で阻止したルーラ元大統領が、1月1日に大統領に就任した。市場では国家主導型経済政策に対する懸念が広まっているが、ブラジルは2003年から2010年にかけてルーラ氏が政権を担当していた当時のコモディティ・ブームにより経済が堅調であった時期とは対照的に、現在は厳しい経済状況にあり、政策的にも制約を受ける中での新政権の船出となった。

[日本] 厚生労働省『毎月勤労統計調査』によると、11月の名目賃金(現金給与総額)は前年同月比+0.5%と、11か月連続で増加した。基本給(所定内給与)や残業代(所定外給与)が増加した一方で、ボーナスなど(特別に支払われた給与)が減少した影響が大きく、名目賃金は10月の+1.4%から11月に+0.5%に伸び幅を縮小させた。また、物価変動の影響を考慮した実質賃金は▲3.8%となり、8か月連続で前年割れになった。

[ロシア/ウクライナ] 1月5日、プーチン大統領はロシア正教のクリスマスに当たる6日正午から36時間、ウクライナでの停戦を命じた。ウクライナ側にも停戦を宣言するよう求めているが、ウクライナのゼレンスキー大統領は5日のビデオ演説で、否定的に反応した。「クリスマス停戦」が今回、実現するかどうか不透明である。

[中国] 1月5日付の『人民日報』は、自然資源部部長(大臣)の王広華氏のインタビューを掲載している。王氏は、土地や海洋の開発、鉱物資源の探査・開発と戦略備蓄、耕地保護に関する政策などについて述べる中で、鉱物資源について「重要な鉱物資源の中には外国への依存度が高いものがあり」「特殊な状況下においては、国内資源の安全を確保するための計画を立てなければならない」と発言している。また、海の埋め立てを強化していくとしている点も、他国の懸念を招く可能性がある。

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