デイリー・アップデート

2023年1月20日 (金)

[サウジアラビア] 1月18日、ダボスで開催されている世界経済フォーラム(ダボス会議)で、サウジアラビアのジャアダーン財務相は、今後は同盟国に対する無条件での財政支援を控え、同盟国を支援する際には相応の改革努力や経済的見返りを要求するようになると発言した。サウジアラビアやUAE、カタールなどの裕福な湾岸産油国は、伝統的に地域の同盟国に対して寛大な財政支援を行ってきたが、最近この傾向が変わり始めており、地域の被援助国であるエジプトやヨルダン、バーレーンなどに対しても、援助ではなく投資という形での支援が増えている。

[インドネシア] 1月19日、中央銀行は月例理事会(金融政策決定会合)で、政策金利となる7日物リバースレポ金利を0.25%pt引き上げて5.75%にすると発表した。2022年8月に2018年11月以来3年9か月ぶりに利上げが開始され、6会合連続で合計2.25%pt引き上げている。インフレ抑制と通貨ルピアの下支えが狙い。中銀は、インフレ率が今後大きく上昇していかない限りは、12月の会合で利上げサイクルを終了させることを示唆していた。

[日本] 総務省によると、2022年12月の消費者物価指数(総合)は前年同月比+4.0%となり、9か月連続で2%を上回った。また、生鮮食品を除く総合(コア指数)も同+4.0%と、1981年12月以来、41年ぶりの上昇率となった。2022年通年でもコア指数は前年比+2.3%と3年ぶりのプラスになった。2014年の+2.6%以来の高い上昇率だった。食料と光熱・水道の価格上昇の影響が大きかった。

[南アフリカ] 深刻な電力不足に苦しむ南アフリカにおいて、エネルギー危機に対処するための戦略は、2月初旬に予想される内閣改造にかかっているとみられる。石炭火力からの脱却が期待されているが、鉱山労働者の組合が与党(ANC)の支持母体ということもあり、石炭火力の継続的な利用を望む与党構成員も多く、石炭への投資を支持する可能性も残る。

[カザフスタン] 1月19日、トカエフ大統領は、下院と地方代表機関を解散させ、3月19日に下院の前倒し選挙を実施すると発表した。下院議員の70%が比例代表、30%が小選挙区で選出される初めての選挙となる。

[韓国/UAE/イラン] 1月14日~17日、尹錫悦大統領は、ダボス会議への参加に先立って、韓国企業トップ100名とアラブ首長国連邦(UAE)を訪問し、13件の覚書(MOU)を締結したほか、「ムハンマド大統領は、韓国に対する300億ドルの投資を決心した」と話した。期待以上の成果をあげたとみられる一方で、尹大統領がUAEに駐留中の韓国部隊を訪問した際、UAEを兄弟国と呼びつつ「UAEの敵、最大の脅威はイランで、我々の敵は北(朝鮮)」と発言したことでイランとの間で摩擦が生じ、韓国とイランの外務省が、各国の相手国駐在大使を呼び出す事態となっている。

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