デイリー・アップデート

2023年1月27日 (金)

[南アフリカ] 1月26日、南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策決定会合において、8回連続で利上げが行われ、政策金利が7.5%に引き上げられた。しかし、利上げ幅は25bpと市場の予想を下回ったことと同時に、経済成長率の見通しを2022年11月の+1.1%から+0.3%に大きく引き下げたことから、中銀の焦点は、「インフレ」から「経済成長」に対する懸念へと移った可能性が高い。

[イスラエル/パレスチナ] 1月26日、イスラエルの治安部隊がパレスチナ自治区ヨルダン川西岸のジェニンにおいて軍事作戦を実施し、61歳の女性を含む9人のパレスチナ人が死亡、20人以上が負傷した。同日、エルサレム近郊でもパレスチナ人の若者がイスラエル兵によって射殺されており、今年に入って西岸及びエルサレムにおいて既に29人のパレスチナ人がイスラエル兵によって殺されている。イスラエル/パレスチナ間の緊張が高まる中で、1月30日からブリンケン米国務長官がイスラエル及びパレスチナを訪問する予定とされている。

[フィリピン] 1月26日、フィリピン統計庁は、2022年の実質GDP成長率(速報値)が前年比+7.6%だったと発表した。伸びは前年の+5.7%から加速し、1976年以来46年ぶりの高水準となった。ウクライナ情勢の悪化や対米ドルでのペソ安によりインフレが加速したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大抑制策の大幅な緩和により、GDPの8割弱を占める個人消費(同+8.3%)の伸びがけん引した。2022年第4四半期の実質GDP成長率は前年同期比+7.2%だった。四半期ベースでは2021年第2四半期以降、7四半期連続で同7%以上の伸び率を維持している。

[米国] 米商務省によると、2022年第4四半期の実質GDP成長率は前期比年率+2.9%となり、2四半期連続のプラス成長になった。内訳をみると、個人消費が同+2.1%と増加した一方で、企業設備投資は同+0.7%へと減速、住宅投資は同▲26.7%と減少した。また、輸出が同▲1.3%、輸入が同▲4.6%となった。輸出入ともに財が前期から減少した一方で、サービスの取引は増加した。また、2022年通年の実質GDP成長率は+2.1%だった。

[ウクライナ] 国際通貨基金(IMF)がウクライナ向けに最大160億ドル(約2兆円)規模の支援を検討している。同支援プログラムの実現には、先進7カ国(G7)の支持や、ウクライナの債権国や援助国によるウクライナ財政の破綻を回避する保証といった条件が必要という。実現されれば、第一回目の融資の実行は、早ければ2023年4月になると思われる。

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