デイリー・アップデート

2023年1月13日 (金)

[ブラジル] 2022年11月の小売売上高は、市場予想の▲0.3%を下回り、▲0.6%(前月比)となった。建築資材や自動車の販売を含む広義の小売売上高においても予想を下回っている。新型コロナウイルス感染症パンデミック以前の水準を回復し、さらに成長を続けてきたブラジル経済ではあるが、ここにきて全体としての大きな鈍化がみられる。原因として、主に家計に提供された財政的インセンティブが一旦終了したことや、金融政策の引締めが影響していると考えられる。

[日本/中国] 中国メディアは、米国時間1月13日に開催される日米首脳会談や、1月11日に開催された日米安全保障協議委員会(日米「2+2」)について大きく報じている。いずれも日本と米国に対し批判的な論調で、日本は「中国との対抗」を宣伝し、自国の軍事拡充を図る野心があり、日米の軍事的統合がこれまでにないほど進んでいるとしている。2022年12月に成立した「安保3文書」についても、日本の平和憲法や「専守防衛」の放棄だと批判している。中国のこのような批判は想定内の内容だが、「協調的な外交への転換」を印象づけようとする最近の動きもある中、今後どうバランスをとるのかが注目される。

[ブラジル] 1月8日、ルーラ大統領が大統領に就任してからわずか1週間後に、約4,000人のボルソナロ前大統領の支持者が首都ブラジリアに集結し、大統領府、連邦議会、連邦最高裁判所を襲撃、占拠して、破壊活動を行う事件が発生した。ルーラ大統領は同事件の全容解明を行う方針だが、米国フロリダ州に滞在中のボルソナロ前大統領への批判が高まっており、今後襲撃事件に関与した勢力との関連が発覚した場合、責任を問われる可能性が浮上している。

[米国] 労働省によると、2022年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+6.5%となり、11月の同+7.1%から伸び率を縮小させた。直近ピークである6月の+9.1%から6か月連続で縮小した。また、前月比は▲0.1%と2020年5月以来のマイナスに転じた。市場では物価上昇がピークアウトしたという見方が強まった。一方で、食料品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比+5.7%と11月の+6.0%から縮小したのに対して、前月比は+0.3%と11月の+0.2%から小幅拡大した。

[カザフスタン] 1月10日、カザフスタン憲法裁判所は、初代大統領として在任期間が30年近かったナザルバエフ氏(82才)への特別な地位「国家指導者」を与えた法律を無効にした。この法律では、同氏への侮辱的な言動が禁じられていたほか、同氏と家族には各種の免責特権も与えられていた。これで、カザフスタンは「脱ナザルバエフ」路線が更に加速すると予想される。

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