デイリー・アップデート

2023年1月16日 (月)

[コンゴ民主共和国(DRC)] コンゴ(DRC)は先月、先進国が発展途上国に十分な資金を提供していないと非難し、自国のコンゴ盆地における石油鉱区のオークションを継続している。該当する同国の熱帯泥炭地は、世界的な生物多様性を有しているだけでなく、膨大な炭素を吸収しているとされ、環境保全面において、オークションの継続は世界から非難を受けている。

[米国/イラク] イラクのスーダーニ首相は、米ウォールストリートジャーナル紙の取材に対し、米軍のイラク駐留を容認する発言を行った。イラクに駐留してきた米軍の戦闘部隊は2021年末に引き揚げたが、今もイラク軍に対する支援や助言を目的として約2,000人の米兵がイラク駐留を継続しており、イラク国内ではたびたび米軍の完全撤退を求める声が上がるなど議論の的となっている。スーダーニ首相はイランに近いシーア派政治勢力から支持を受けて首相に就任したため、今回の発言は少なからず驚きを持って受け止められている。

[ブラジル] 連邦警察はボルソナロ前政権で法相に就任し、2023年1月2日にブラジリア連邦区の公安局長に就任していたトレス氏を1月14日に逮捕した。ボルソナロ前大統領の側近であるトレス前法相は1月8日に発生したボルソナロ支持者による大統領府や連邦議会、連邦最高裁の襲撃、占拠事件で治安対策上の不備があったとして、連邦最高裁が検察当局の逮捕請求を認めていた。今後はボルソナロ前大統領自身らの襲撃事件への組織的関与の追求が焦点となる。

[韓国] 1月13日、韓国銀行(中央銀行)は金融通貨委員会で、政策金利を0.25%pt引き上げて年3.50%とすることを決定した。物価高を受けた7会合連続の利上げで、政策金利は2008年12月以降14年1か月ぶりの高水準となった。今後については、輸出の悪化など経済成長が鈍化しつつあることから、利上げサイクルは終了に近づいているとみられている。

[日本] 日本銀行『企業物価指数』によると、1月の国内企業物価指数は前年比+10.2%となり、9月の+10.3%以来の2桁増になった。一方で、前月比は+0.5%となり、9月以降、3か月連続で減速している。また、輸入物価指数(円ベース)は前年比+22.8%となり、10月までの+40%超から伸び幅が縮小した。また、契約通貨ベースでは+8.1%と2か月連続で10%割れとなった。それぞれ前月比は0.0%、▲0.1%となり、輸入物価の上昇は一服しているようだ。

[ロシア] 財務省は、政府歳入の4割前後を占める石油ガス収入の急減を受け、1月13日から金融市場において保有する外貨の売却を行うと明らかにした。外貨取引はこれまでドルやユーロで実施してきたが、今回初めて中国の人民元を売却すると発表した。対立する欧米の通貨の取引には今後、支障が生じるとの懸念があるほか、中国への石油ガス輸出が急増しているとの背景もあるとみられる。

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