2023年11月20日 (月)
[米国/フィリピン] 11月16日、米国・フィリピン両政府は原子力協力協定に署名を行った。原子力の平和利用に向けた協力枠組みとなる協定で、核物質や原子力関連資機材を米国がフィリピンに提供するための法的根拠となる。2022年11月に交渉開始が発表されていたが、1年を経ずして交渉が妥結した。米企業の小型モジュール炉を導入し、2032年までにフィリピン初の原子力発電所稼働を目指す。米国の原子力外交がアジアにおいて新たな展開を迎えることとなった。米国側では、今後、同協定案を議会に提出し、90日間の審議期間中に拒否決議が通らなければ自動的に同協定が発効する仕組みとなっている。
[アルゼンチン] 11月19日にアルゼンチン大統領選挙決選投票が行われ、右派政党「自由前進(LLA)」を率いるリバタリアン政治家のミレイ下院議員が得票率56%となり、44%の与党連合「祖国のための連合(UP)」のマサ経済相を破って次期大統領に当選した。大統領就任式は12月10日(任期4年)であるが、現在3桁のインフレで経済危機に直面し、国民も分極化する状況下、ミレイ次期大統領は少数与党という議会での制約を受ける中で政権を始動させることになる。
[マレーシア] 11月17日、中央銀行は、2023年第3四半期(7~9月)の実質国内総生産(GDP)成長率が前年同期比+3.3%だったと発表した。統計局が10月に発表した見込み値と一致した。第2四半期の成長率+2.9%から加速したとみられる。中央銀行は、世界経済の減速を受け輸出が▲12%だったものの、雇用情勢の改善による民間消費と大型インフラ事業や企業の生産能力拡大による投資活動の増勢が経済を下支えした、と述べた。また国内観光業の回復も輸出の不振を補ったもよう。
[キルギス共和国] キルギス共和国から、ジャパロフ大統領が11月17~11月20日の日程で初めて来日した。天皇、皇后両陛下は11月17日、ジャパロフ大統領夫妻と皇居・宮殿で会見し、その後昼食を共にされた。ジャパロフ大統領はその後、額賀衆院議長や国際協力銀行(JBIC)の林総裁と会談し、11月18日には京都迎賓館で歓迎行事に参加した。茶席を体験し、日本の伝統に触れた。
[中国/中東] 11月19日、中国外交部報道官は、アラブ・イスラム諸国の外相共同代表団が11月20日から11月21日にかけて中国を訪問すると発表した。代表団にはサウジアラビア、ヨルダン、エジプト、インドネシア、パレスチナの外相とイスラム協力機構・事務局長が含まれる。訪問期間中にイスラエル・パレスチナ紛争の鎮静化、民間人の保護、パレスチナ問題の公正な解決促進について意思疎通と調整を行うとしている。代表団はほかにも国連安保理常任理事国を訪問予定だが、サウジのファイサル外相は、中国を最初に訪問することを強調した。
[中国] 11月17日、広州汽車集団(以下、広汽集団)は、広州モーターショーにおいて、2026年に固体電池を実用化する計画を発表した。広汽集団が出資する Qingtao Energy(清陶能源、江蘇省昆山市)が、固体電池の量産を2025年に予定しており、同社の固体電池が採用される可能性がある。一方、上海汽車が、2025年に固体電池搭載車を発売し、生産台数は10万台に達する見通しと先行して発表している。また、「中国財新」は、日本の自動車OEMによる固体電池の開発状況に注目し、新エネルギー車業界のゲームチェンジを実現しようとしていると指摘している。
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