デイリー・アップデート

2023年11月28日 (火)

[イスラエル/パレスチナ] 11月27日、4日間の停戦合意の最終日にも、ハマスが人質17人(イスラエル人11人とタイ人6人)を解放し、イスラエルはパレスチナ人の囚人33人を釈放した。停戦中の4日間で、ハマスは人質計75人を解放(停戦合意で決められたイスラエル人50人の解放に加えて、外国人・二重国籍者25人も解放)し、イスラエル側も取り決め通りパレスチナ人の囚人150人を釈放した。さらに、カタール政府の発表によると、イスラエルとハマスは2日間の停戦延長に合意したとのことで、今後少なくとも2日間は停戦が継続し、さらなる人質交換が実現するもよう。

[アルゼンチン/米国] 11月19日に行われたアルゼンチン大統領選挙決選投票で次期大統領に当選した右派のリバタリアン政治家のミレイ下院議員は、12月10日付で大統領に就任する。選挙キャンペーン中から親米路線を明確にしてきたミレイ氏は、11月22日にバイデン米大統領と電話会談を実施し、11月27日にはニューヨーク、ワシントンを訪れ金融機関やバイデン政権関係者と協議を行った。訪米には次期経済相就任が有力視されているカプト元金融相も同行している。

[フィリピン] 自動車工業会(CAMPI)とトラック製造業者協会(TMAT)は、 2023年1~10月の新車販売台数が前年同期比+25.9%の35万2,971台で、コロナ禍前の水準をほぼ回復し、2022年通年の35万2,596台を上回ったと発表した。物価高が続く中でも最低賃金の上昇などを受け個人消費は底堅く、過去最高を記録した2017年通年に迫る勢いを見せている。また、自動車ローンが組みやすく設定してあることも購入を後押ししているもよう。フィリピン中央銀行によると、2023年9月時点での自動車ローンは前年同月比+13.4%の3,675億ペソ(約9,890億円)だった。

[欧州] ラガルドECB(欧州中央銀行)総裁は11月27日の欧州議会で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)によって保有している債券の再投資について、近く議論する可能性があると述べた。PEPPによって保有される債券は、償還期限を迎えると同額が再び投資され、保有額が維持されている。ECBは前回会合まで、少なくとも2024年末まで再投資を継続する方針を示してきた。なお、市場では、再投資の前倒し終了が予想されてきた。

[韓国/中国/米国] スウェーデンVolvo CarsグループのEVメーカーであるPolestarは、2025年下半期からRenault Korea釜山工場で電動SUVを委託生産すると発表した。韓国国内向けに販売するほか、北米にも輸出する。Volvoの親会社は中国吉利汽車であり、韓国に中国車の生産拠点ができることになる。また、対米輸出時に中国製自動車には27.5%の関税がかかるが、韓国製ならば米国とのFTAで関税を回避できる。一方、韓国KG Mobilityは、中国BYDとの提携を拡大すると発表した。BYDは、自身のブランドを前面に出さずに技術の移転・販売を行う「デ・ブランディング方式」で韓国市場に参入する。

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