デイリー・アップデート

2023年4月3日 (月)

[ガーナ] ガーナ銀行は先週、政策金利を28%から29.5%に150bp引き上げた。また、4月13日より、民間銀行の国内通貨建て預金の現金準備率を12%から14%に引き上げることを発表した。実質金利はマイナスの状態が続くが、国内のインフレ率は12月をピークに緩やかに減少傾向にあることや、IMFからの支援への期待などから、今後の金融政策は様子をみながら進められるもよう。

[ベトナム] 3月31日、国家銀行(中央銀行)は主要政策金利である再割引金利(リファイナンスレート)を4月3日から0.5ポイント引き下げ5.5%とすると発表した。3月15日にその他の政策金利の引き下げを実施していた。第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が前年同期比+3.3%と、前期の同+5.9%から失速し、2008年の金融危機直後の水準まで減速したことに対し政府は危機感を強めており、中銀は、インフレ抑制から経済成長をより意識したスタンスを取った。

[米国] 米商務省によると、2月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比+5.0%となり、1月の+5.3%から縮小した。食料品とエネルギーを除くコア指数は+4.6%と1月から▲0.1pt縮小したが、2022年12月からほぼ横ばいとなっている。欧州統計局(Eurostat)によると、3月の消費者物価指数(HICP)は前年同月比+6.9%と2月の+8.5%から縮小した一方で、コア指数は+5.7%と前月から+0.1pt拡大、過去最高を記録した。欧米とも物価上昇の基調は根強い。

[米国] 3月31日、米財務省は、インフレ抑制法に規定されたEV税控除に係るガイダンスを発表し、先般日米間で交わされた重要鉱物合意も、自由貿易協定の一種として認める旨が明記された。インフレ抑制法では、米国のFTA締結先で採掘・処理された重要鉱物が、一定比率以上EV充電池に用いられていることが税優遇の条件とされており、EU、韓国、日本が異議を唱えていた。同規則は4月17日に正式に発表され、60日間パブリックコメントを募った後に、正式決定される見込み。

[米国] 保守系有力シンクタンクのハドソン研究所は、ニューヨークで3月31日に主催したイベントで、中米歴訪の乗り継ぎでニューヨーク滞在中の台湾の蔡英文総統に対して、活力ある民主主義を主導しているとの理由で、同研究所の「グローバル・リーダーシップ賞」を、同研究所のウォルターズ所長兼CEOとスターン会長から授与した。蔡総統は、平和、繁栄、民主主義の擁護の追求について米国等の有志国とともにあるとの演説を行った。

[ロシア] ロシア第2の都市サンクトペテルブルクの飲食店で爆発があり、プーチン政権寄りの立場で知られる著名な軍事ブロガーが死亡し、また20人以上が負傷した。ロシアでは2022年8月、首都モスクワ郊外で走行中の乗用車が爆発し、プーチン大統領の外交政策に影響を与えてきたとされる思想家ドゥーギン氏の娘が死亡する事件も起きている。

[日本/中国] 4月2日、林芳正外相は中国を訪問し、秦剛外相、王毅政治局員、李強首相と会談を行った。日本の外相が中国を訪問するのは3年3か月ぶり。中国側は日中友好協力関係の維持・発展が重要だと強調したが、林外相が要請した中国で拘束された日本人の解放や、中国が日本周辺でとっている軍事行動に対する懸念についての前向きな回答はなかった。秦剛外相は、「一つの中国」原則の遵守(台湾に対する日本の関与のけん制)や、米国の対中技術規制に日本が同調しないことを求めたほか、福島原発処理水の放出について懸念を表明した。

[イスラエル] 4月2日、イスラエル首相府は、ベン・グビール大臣率いる国家治安省の下に国家警備隊を創設し、予算を割り当てることを閣議承認したことを発表した。3月27日、ネタニヤフ首相は現政権が進める司法制度改革を一旦停止して1か月延期することを発表したが、これに反発していたベン・グビール大臣は、司法制度改革を1か月延期するための交換条件として、国家治安省の下に国家警備隊を創設するよう首相に求めていた。野党や市民団体などは「ベン・グビール氏の私兵だ」として同隊の創設に反対している。

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