デイリー・アップデート

2023年4月5日 (水)

[アジア太平洋] 4月4日、アジア開発銀行(ADB)は「アジア新興国・地域の経済見通し」を発表し、2022年と2023年の同地域の実質GDP成長率は、それぞれ前年比+4.8%となり、2022年の同+4.2%を上回る見通しを示した。中国の回復とインドの健全な内需がけん引し、同地域の主な成長の支えになっている。東アジアと東南アジアは内需拡大がけん引し、太平洋地域は入国規制の緩和による外国人旅行客の増加で観光業が回復すると見込まれる。ADBは、インフレ率は、新型コロナウイルス感染症パンデミック以前の水準まで徐々に低下してきており、2023年が前年比+4.2%、2024年同+3.3%と予測している。

[米国] 労働省「雇用動態調査(JOLTS)」によると、2月の求人件数は993.1万件となり、1月から▲63.2万件と2か月連続で減少した。2021年5月以来、21か月ぶりに1,000万件の大台を下回った。ただし、2019年平均(715.8万件)を上回っているため、雇用環境が変化しはじめた段階といえる。採用件数は、616.3万件となり、1月から▲16.4万件と2か月連続で減少した。自発的な離職件数は402.4万件で、3か月ぶりに増加した。先行きの景気を見通す上で、週末に発表される雇用統計と合わせて、今後の雇用環境がどこまで悪化するのかが注目される。

[タンザニア] 先週、サミア・スルフ・ハッサン大統領は、同国の200を超える国有企業(SOE)の戦略的見直しを命じた。中でも、エア・タンザニア、国営通信会社、タンザニア鉄道公社などは、名指してサービスや経営がずさんであることが会計検査院から指摘され、非難を受けている。効率的に運営されている企業以外は、今後民営化する可能性も示された。

[米国] 4月3日、下院情報特別委員長に就任しているターナー下院議員は、同僚の共和党下院議員3人とともにウクライナの首都キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領らと会談した。会談後、ターナー下院情報特別委員長は対ウクライナ支援について、「米国内では圧倒的な超党派の支持が存在している」との見解を示した。2月21日にはマコール下院外交委員長(共和党)もキーウを訪問し、ゼレンスキー大統領との会談で対ウクライナ支援の継続を約束している。

[中国] 3月の全人代で改めて提唱された「対外開放、科学技術の自立自強」に関連して、中央政府や地方政府で具体的な政策への落とし込みが始まっている。商務部、科学技術部は、外資企業の研究開発センター設立を奨励する政策を打ち出した。上海市は、産業政策、技術革新、デジタル化などの政策に対して、外資企業が国内企業と平等に助成および奨励を享受することができるとした。広東省、海南省でも同様に、外資誘致の動きがスタートしている。

[米国] 4月4日、ニューヨーク州検察はトランプ前大統領起訴の罪状は事業記録の改ざんであったことを明らかにし、罪状認否のため出廷した前大統領は無罪を主張した。今後、議会乱入事件、機密書類持ち出しといった連邦案件でも起訴が続けば、共和党内の空気も変わりかねない。直近の世論調査では、今回の起訴が政治的動因に基づくと見なす米国民が50%弱から75%前後存在するとの結果が出ているが、調査結果によって数字は大きく異なっている。米国民の判断もまだ揺らいでいることがうかがわれる。

[ロシア] プーチン大統領は、極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」を巡り、天然ガス大手ノバテクが申請していた英シェルの保有権益の取得で、948億ルーブル(12.1億ドル)を支払うことを許可した。ウクライナ軍事侵攻の影響で英シェルは保有する「サハリン2」の約27.5%の権益をノバテクに売却し、同プロジェクトから撤退すると決めた。

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