デイリー・アップデート

2023年4月17日 (月)

[米国] 商務省によると、3月の小売売上高は前月比▲1.0%となり、2か月連続で低下した。飲食店は+0.1%と小幅プラスにとどまった一方で、ガソリンが▲5.5%、自動車・同部品が▲1.6%に低下するなど、個人消費は勢いを欠いているようだ。またFRBによると、3月の鉱工業生産指数は前月比+0.4%と3か月連続で上昇した。内訳をみると、公益事業が+8.4%と上振れた影響が大きく、鉱業は▲0.5%、製造業は▲0.5%と減産になった。特に製造業は3か月ぶりのマイナスで、鉱工業生産の見た目とは異なった動きになっている。

[ブラジル] ブラジル連邦高等選挙裁判所(TSE)は、2022年10月のブラジル大統領選挙でのボルソナロ陣営による合計16件の不正疑惑について現在調査中である。TSEは5月にも裁定を下すことが予想されているが、ボルソナロ前大統領は最低8年間の公職停止となる可能性が高まっており、2026年に行われる次期大統領選挙への再出馬が困難になる可能性が高まってきている。しかしながら、同氏は反ルーラ勢力の対抗馬として重要な存在感を保持し続けることが予想される。

[中国] 4月13日、中国税関総署は2023年3月の貿易統計(速報値、以下同)を発表した。3月の輸出額は、前年同月比+14.8%の3,155億8,930万ドルだった。前月比は+47.5%。1~2月の前年同期比▲6.8%(1~2月は合算して発表)から2022年9月以来5期ぶりにプラスに転じた。電動車とリチウム電池、太陽電池の3品目の伸びが全体を押し上げた。地域別ではASEAN向けが好調だった。3月の輸入額は、前年同月比▲1.4%の2,273億9,860万ドルだった。前月比は+15.3%。前月は春節(旧正月)連休明けで、比較対象の数値が低かった。

[スーダン] 4月15日、スーダン軍と国内の準軍事組織である即応支援部隊(RSF)の間で衝突が発生し、首都ハルツームを中心に16日にかけて同国各地での戦闘が続いた。2日間の戦闘で61人が死亡、670人が負傷した。世界食糧機関(WFP)に所属する国連職員3人も犠牲となり、WFPは同国での全ての活動の一旦停止を発表した。衝突の発端は、RSFの国軍への統合を巡る意見の相違であるとされる。隣国のエジプトやチャドは国境を閉鎖した。また空港でも戦闘が勃発し国際線は運航停止になった。今後のさらなる暴力の拡大が懸念される。

[米国] 4月13日、キャサリン・タイ米通商代表はワシントンにてドムブロウスキ欧州委員(貿易担当)と会談した。3月に日米間で重要鉱物サプライチェーン強化協定が交わされたことを受け、早々にEU、英国等の間でも同様の合意がまとまると観測されているが、今回の会談では米EU間交渉について具体的な展望は得られなかった。重要鉱物協定については、インドネシア政府が同様の協定を米国と結ぶことに関心を示しているとの報道がある。タイ米通商代表は4月19~20日に訪日予定で、インド太平洋経済枠組み(IPEF)交渉等について日本側と協議すると見られている。

[中国] 2023年の粗鋼生産量政策は、前年の10.18億トンをベースに増減なしと設定された。ただし、下期には状況に応じて調整を行う可能性がある。今年の市場は2つの見方があり、1つはゼロコロナ政策解除により、2022年と同量の生産を継続すると需給がタイトになる可能性があること。もう1つは、不動産市場の低迷が継続する場合、インフラ建設、新エネルギー車、家電などの分野で需要の増加がもたらされても、不動産分野での需要の減少と相殺されてしまうことである。

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