デイリー・アップデート

2023年4月21日 (金)

[日本] 総務省によると、3月の消費者物価指数は前年同月比+3.2%だった。2月(同+3.2%)からやや縮小した。直近ピークは1月の同+4.3%であり、2月以降の政府の電気・ガス料金負担軽減策によって、1.0ptほど上昇率が押下げられている。また、生鮮食品を除く総合(コア指数)は2月から横ばいの同+3.1%であり、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は同+3.8%と、2月(同+3.5%)から伸び率を拡大させた。

[ロシア/G7] 先進7カ国(G7)がウクライナ侵攻を続けるロシアへの制裁強化案として、一部の医療品などを除くほぼ全面的な輸出禁止措置を検討している。5月のG7首脳会議(広島サミット)に先立って当局者が協議しているもようで、ロシアに対する経済的圧力を大きく強める可能性がある。

[米国/中国] 4月20日、ジャネット・イエレン米財務長官は、ジョンズ・ホプキンス大学で講演し、中国と健全な経済関係を築き、グローバルな課題で協力する必要性を強調した。米国による国家安全保障上で必要な的を絞った輸出規制は、中国の経済発展を阻害するためではないとして対話を呼びかけた。目下のところ、中国は米国との関係改善や協力を進めるより、自国の影響力拡大に力を入れており、イエレン氏の呼びかけが関係改善につながるかは不明である。ブルームバーグ紙は、バイデン大統領は米国企業による中国ハイテク分野への投資を制限する大統領令に数週間以内に署名することを目指すと報じている。

[チュニジア] 4月20日、2021年7月にサイード大統領によって停止された国会の議長であったガンヌーシ・エンナハダ党党首(81歳)が、裁判を待たずに投獄された。同氏は約20年に及ぶ亡命生活を経て、2011年に当時のベン・アリ大統領を倒した「アラブの春」の民衆デモ後に帰国し、同年行われた議会選挙で最大政党の党首になり、その後2019年には国会議長になったチュニジア政界の中心人物。強権化を進めるサイード大統領の最大の政敵であり、「扇動的発言」をしたとして4月17日に警察に身柄を拘束されていた。

[米国] 4月18日、フロリダ州デサンティス知事のためのイベントがワシントンで開催されたが、共和党下院議員の出席者はわずか10数名となり、下院共和党でデサンティス氏に対する支持が広がっていないことが明らかになった。また、2024年共和党大統領候補指名獲得争いでデサンティス氏を推薦する共和党下院議員の数はわずか3人なのに対し、トランプ前大統領を推薦したのは45人となっており、下院共和党でのデサンティス知事の足場の脆弱性が露呈している。

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