デイリー・アップデート

2023年4月11日 (火)

[ベトナム] 税関総局によると、3月の中国からの輸入額は前年同月比+7%の97億ドルとなり、2022年10月以来、5か月ぶりにプラスに転じた。中国での経済活動の再開が本格化したことを受け、ベトナム向けの機械や鉄鋼、繊維などの輸出が回復した。ベトナムの3月の中国からの鉄鋼輸入は、同+72%の6億ドルと大幅に増加した。建設需要の落ち込みを受け国内鉄鋼メーカーが減産している中、安価な中国製鉄鋼製品の流入で同製品の価格が低下するとみられる。

[韓国/米国] ロシア・ウクライナ戦争に関する米国やNATOの軍事機密情報がインターネット上に流出したとされる問題が、韓国にも飛び火している。米情報機関が韓国政府内の通信を傍受していたことを示す文書の存在について複数メディアが報じ、韓国政府は、米韓同盟への影響はないとしつつ、国家安保室と大統領警護処のセキュリティーを確認・強化する方針。また、流出した文書の中には、韓国政府がウクライナに対して弾頭33万発を迂回して提供しようとした計画も含まれていると韓国メディアが報じており、国内で問題になる可能性がある。尹錫悦大統領は4月下旬に米国への国賓訪問を控えている。

[米国] 4月10日、国務省はブリンケン長官の外遊旅程を発表した。国務長官は4月11日よりバイデン大統領に随行する形で、英国、アイルランドを訪れた後、ベトナムを訪問。ハノイでは新たな米国大使館建設の起工式に立ち会う。その後、軽井沢で開催されるG7外相会合に参加するため訪日する予定。G7外相会合では、ウクライナ危機、核廃絶、食料・エネルギー危機について議論し、G7の結束をアピールする予定と国務省高官は説明した。

[ロシア] ウクライナ侵攻を背景にロシア国内における死刑復活論が再燃している。有力政党のロシア自由民主党や左派系「公正ロシア」の党首らが、4月の下院本会議で相次ぎ死刑復活を要求した。ロシアは死刑を禁じる欧州評議会に1996年に加盟した際に、死刑廃止を約束し執行を停止したが、同評議会は侵攻開始後の2022年3月にロシアを除名した。プーチン政権与党「統一ロシア」党首のメドベージェフ前大統領は同月、死刑復活の障害は消えたと述べていた。

[米国] 共和党有力知事であるバージニア州のヤンキン知事とフロリダ州のデサンティス知事は、2024年共和党大統領候補指名獲得争いへの出馬が憶測されているが、両知事ともに4月下旬に外遊することになった。ヤンキン氏は台湾、日本、韓国を、デサンティス氏は日本、韓国、イスラエルを訪問する予定である。ヤンキン知事は台湾滞在時に蔡総統との会談を予定しており、中国に対する警戒感が根強くある共和党支持者を意識した外遊になる。

[日本] 内閣府「景気ウォッチャー調査」によると、3月の景気の現状判断DIは53.3となり、前月から1.3pt上昇した。基調判断は「持ち直している」へ上方修正された。同「消費動向調査」によると、3月の消費者態度指数は33.9と、前月から2.6上昇した。基調判断は「持ち直しの動きがみられる」へと上方修正された。消費者マインドは、物価高騰が重石であるものの、行動制限の緩和や行楽シーズンもあり、回復しつつある。先行きの消費者マインドも、経済活動が一段と正常化に向かう中で回復するとみられる。

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