デイリー・アップデート

2024年12月4日 (水)

[中国/米国] 米国商務省は12月2日、中国に対する半導体の輸出管理強化を発表。これに対し中国商務部は3日、デュアルユース(軍民両用)品目の対米輸出管理を強化し、原則として、ガリウム・ゲルマニウム・アンチモン・超硬材料関連品目の対米輸出は認めず、黒鉛のデュアルユース品目の対米輸出はより厳格な精査対象にすると発表した。即日実施となり、規定違反は法的責任を追及される。また中国インターネット協会、中国汽車工業会、中国半導体工業協会、中国通信企業協会の4団体は企業に対し、米国製半導体はもはや安全ではなくも信頼性もないとして購入を控えるよう通達を出した。

[ナミビア] 12月3日、選挙管理委員会(ECN)は11月27日に実施された大統領選で、与党・南西アフリカ人民機構(SWAPO)のナンディ=ンダイトワ氏(72歳)が57%の得票で勝利したと発表した。同国初の女性大統領となる。1990年の独立以来政権を握るSWAPOは、高い失業率や政府の汚職を背景に支持が低迷。今回の選挙では苦戦が予想されていたが、結果的に最大野党・独立愛国変革党(IPC)のイトゥーラ候補の得票は26%に留まった。IPCは「選挙プロセスに深刻な欠陥があった」として法廷で争う構えを示している。ナミビアでは仏トタル、英シェルらが2029年に深海油田の生産開始を目標としている。今回SWAPOが勝利したことにより計画に大きな影響は生じないとみられる。

[インドネシア/カナダ] 12月2日、両政府は3年間の交渉を経て包括的経済連携協定(CEPA)の交渉完了に関する共同声明に正式に署名した。CEPAは2026年に発効される予定である。インドネシア政府は、CEPAが同国の経済成長および持続可能性目標の達成において重要であることを強調した。特に、カナダがインドネシアの重要鉱物資源セクターを優先的に支援する姿勢を高く評価し、このセクターが持続可能な発展において極めて重要な役割を果たすことを指摘した。

[米国] 労働省「雇用動態調査(JOLTS)」によると、10月の求人件数は774.4万件となり、前月から37.2万件増加し、市場予想を上回った。失業者1人当たりの求人件数は1.11件となり、9月(1.08件)から増加し、6月(1.16件)以来の高水準になった。一方で、レイオフ件数は163.3万件(▲16.9万件)。1年半ぶりの大幅な減少となった。2023年4月(▲18.9万件)以来、約1年半ぶりの大幅な減少となった。総じて、米雇用環境はまだ底堅いと言える。

[NATO/ウクライナ] 12月3日に開催されたNATO外相会合で、ルッテ事務総長は、NATOとEUの緊密な協力の下、ウクライナに対するさらなる軍事支援が重要との見解を強調した。軍事支援拡大は、将来的にウクライナが優位な立場でロシアとの交渉に臨むために必要との見解。

[韓国] 韓国の尹錫悦大統領は、12月3日の夜遅く、国民に向けた緊急談話で「自由憲政秩序を守るために非常戒厳を宣布する」と発表した。それに対して野党のみならず与党からも反発の声が起こり、韓国国会は4日未明に非常戒厳解除要求決議案を可決した。採決には出席した190人全員が賛成票を投じた。その後、尹大統領は議決を受けた「非常戒厳」解除を発表し、軍も撤収させたが、最大野党「共に民主党」の李在明代表は、今回の戒厳令は明白な憲法違反であり、大統領は直ちに辞任すべきだと主張、辞任しない場合は弾劾する方針を示している。

[シリア] 11月27日にシリアの反政府勢力が、拠点とするイドリブから政府軍に対する攻勢を始め、数日間でアレッポの町を完全に制圧した。反政府勢力はさらにハマの町に到達しており、首都ダマスカスへ向けて進軍するとのこと。シリア政府軍はハマへ増援部隊を派遣し、またロシア軍がイドリブやアレッポなどへの空爆を行ったとの報道もある。アサド政権はロシアやイラン、ヒズボラなどによって支えられてきたが、ロシアはウクライナとの戦いで、イランとヒズボラはイスラエルとの戦いで弱体化する中で、反政府勢力はこの機に乗じて奇襲を行ったものとみられている。

[米国] トランプ次期大統領が次期国防長官に起用した保守系テレビネットワークFox Newsの司会者のヘグセス氏を巡っては、女性への性的暴行疑惑といった不祥事や問題発言が次々に発覚している。そうした中、12月1日雑誌ニューヨーカー誌は、ヘグセス氏がかつて二つの退役軍人団体から、金銭問題や性的に不適切な行動により退会させられていた事実を明らかにする特集記事を掲載し、共和党上院議員からも懸念が高まっている。

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