デイリー・アップデート

2024年12月19日 (木)

[エチオピア] 12月17日、人民代表議会(下院)は賛成多数で新「銀行法」を可決した。これにより外国銀行はエチオピアでの子会社・支店の設立や、国内銀行の株式取得が可能となる。外国銀行による株式所有率の上限は40%と報じられている。今回の外資規制緩和は、2018年に就任したアビィ・アハメド首相が進める経済自由化・外資開放政策に基づくもの。7月には中銀(NBE)による政策金利(+15.0%)の導入、変動相場制への移行が実施され、国際通貨基金(IMF)からの新規融資の合意に至った。2025年1月にはエチオピア証券取引所(ESX)が開設され、海外投資家による取引も可能となる予定。

[米国] 連邦準備理事会(FRB)は18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利(FF金利)の誘導目標レンジを0.25%引き下げることを決定した。利下げは3会合連続となり、引き下げ幅は合計で1%分になった。FOMC参加者の経済見通し(中央値)によると、政策金利は2025年に0.5%引き下げれると予想された。前回9月の1.0%利下げから修正され、これまでの想定以上に政策金利が高止まりする可能性が高まっている。また、中立金利とみなされる長期の政策金利も3.0%となり、前回から0.1pt上昇した。

[石炭] 国際エネルギー機関(IEA)が年次報告書「Coal 2024」を公表。世界の石炭需要は過去最高の87億7,000万トン(前年比+1%)。うち中国48億トン、インド13億トン。先進国で需要が減ってもインド・インドネシア・ベトナムなど新興国の伸びが相殺し、2027年には88億7,000万トンに。生産量は2024年に初めて90億トンを突破、国際取引量も過去最高の15億5,000万トン(うち一般炭11億7,800万トン)。ベトナムが台湾を抜き輸入第5位に。ロシアの石炭輸出は減少、原料炭ではモンゴルが輸出第2位に浮上したがすべて中国向け。中国・インドは今後、国内生産増加で輸入の伸びは鈍る。

[英国] 12月18日にウクライナを訪問したヒーリー国防相が、ウクライナ軍訓練を目的としたイギリス軍のウクライナ国内への派遣を検討していると、The Times紙が報道した。訓練目的のイギリス軍の派遣案は2024年10月にも浮上したが、ロシアの直接のターゲットになることから、イギリス政府の慎重な判断が求められる。

[アルゼンチン] ミレイ大統領は、トランプ次期大統領当選後にフロリダ州の邸宅に招かれるなど、トランプ氏とは良好な関係を構築している。12月17日、ミレイ氏の大統領報道官により、1月20日に行われるトランプ氏の大統領就任式に出席する意向が示された。外国元首として初めて、トランプ氏の大統領就任式への出席を明らかにしたミレイ氏は、アルゼンチンが求めるIMFへの追加新規融資や米・アルゼンチンFTA協議の開始に期待を表明している。

[ネパール/中国] 12月4日、ネパール政府は、中国が主導する一帯一路構想の枠組みに関する文書に中国政府と大筋合意し、署名した。両国は7年前に合意をしていたが、その後署名には至らなかった。今回、トンネル道路や越境鉄道、送電線、工業団地など10のプロジェクトが提案された。しかし、資金調達を巡る意見の相違が障害となっていた。ネパールは無償援助を主張したのに対し、中国は援助型資金という形での融資を求めていたが、最終的に援助型資金で合意した。

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