2024年12月20日 (金)
[南アフリカ] 12月19日、電力公社Eskomは、2024年会計年度(2023年4月~2024年3月)の業績は255億ランド(約2,168億円、税引前)の赤字だと発表した。329日間にわたる計画停電の実施と、緊急発電用のディーゼル燃料の使用(339億ランド)、盗電(230億ランド)が損失をもたらしたと説明した。他方で、2025年会計年度(2024年4月~2025年3月)に入ってからは計画停電が1日も実施されておらず、その結果、ディーゼル燃料の支出が前年比で119億ランド減少していることから、100億ランド以上の黒字となると予測している。電力供給は安定化の方向に進んでいるが、Eskomの電力需要の約4割を占める自治体の電力未払いの問題が深刻化している。
[ロシア] プーチン大統領は12月19日、年末恒例の大規模記者会見と国民との対話を併せて行った。来年2月で丸3年となるウクライナ侵攻について、当初の目標達成に近づいていると述べ、戦況への自信を示した。ウクライナに対しては交渉と妥協の用意があるとしつつ、そのためには「相手も交渉と妥協の用意を示すことが必要だ」と強調した。
[EU] 12月19日に開かれたEUサミットで、対ウクライナ支援の継続が再確認された。和平交渉に関しては、「時期尚早」という見解が多く、またマクロン大統領(フランス)が提唱する平和維持を目的とした西側軍のウクライナ派遣も賛同を得ていない。
[イエメン/イスラエル] 12月19日早朝に、イエメンの反政府武装組織フーシ派がイスラエルに対してミサイルを発射した。ミサイルは迎撃されたものの、破片がテルアビブ近郊の学校に着弾し学校が破壊された。負傷者などは無し。その直後にイスラエル軍は報復として、フーシ派が支配する港町ホデイダや首都サナア周辺にある2か所の発電所、燃料タンクなどに対して14機の戦闘機で空爆を行った。イスラエルによる攻撃で10人が死亡したもよう。フーシ派はガザでの大量虐殺が止みガザへの物資搬入が許可されるまで攻撃を続けると主張している。
[米国] トランプ次期大統領は次期国防長官に保守系テレビネットワークFox Newsであるピート・ヘグセス氏を起用したが、起用後にヘグセス氏を巡っては女性に対する性的暴行疑惑や過度の飲酒癖が明らかになり、共和党上院議員の一部からも懸念が表明されている。次々に疑惑等が明らかになる中、ヘグセス氏の上院における指名承認プロセスは難航しているが、自ら指名を辞退する姿勢は一切見せていない。
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