2024年12月13日 (金)
[南アフリカ/アルジェリア] 12月5~7日、ラマポーザ大統領はアルジェリアを公式訪問した。アルジェリアのテブン大統領との会談では、両国が1994年の国交樹立以来、強固なパートナーシップを築いていることを確認。経済面ではグリーン水素や、再生可能エネルギー、インフラ等の協力を強化するとした。テブン大統領は南アがパレスチナ問題でイスラエルを国際司法裁判所(ICJ)に提訴した努力を称賛。また、ラマポーザ大統領は主権をめぐりモロッコとの係争が続く西サハラについて、「占領と収奪の苦しみを経験する国として抑圧された人々と連帯する」としてアルジェリアによる西サハラ支援への支持を表明した。
[イスラエル] 12月10日、ネタニヤフ首相は自身に対する汚職疑惑の裁判で、現職の首相として初めて被告として証言台に立った。ネタニヤフ氏は、3件の収賄、詐欺、背任の容疑で2019年に起訴され、翌2020年から裁判が開始された。同氏は法廷で一切の不正行為を強く否定し、自らに対する容疑を「ばかげたもの」として突っぱねた。今後数週間にわたり、同氏は週3日、1日6時間行われる予定の審理に被告として出廷を求められるが、7つの戦線での戦いを指揮する首相だが裁判も並行して両立できると主張した。
[ブラジル] 12月9日に激しい頭痛に襲われたルーラ大統領は、ブラジリアからサンパウロ市内の医療施設に移送され、頭部の血腫を除去する緊急手術を受けていた。12月12日、再び血腫が発生しないようにする二度目の手術が行われ、大統領医師団は、手術は成功したと発表した。だが、ルーラ大統領について、与党・労働者党(PT)関係者は、体力面、認知面の両面で今後次第に衰え、2026年12月末迄の任期を満了できないのではとの懸念を示し始めている。
[ベトナム] 12月6日にベトナム統計総局(GSO)が発表した11月の鉱工業生産指数は、前年同月比+8.9%となり、6月以来5か月ぶりに加速し、8月以降で最大となった。テト(旧正月、2025年は1月29日)に向けた需要増で、食品や縫製関連、電子機器の生産が拡大した。また、11月の輸出額は前年同月比+8.2%の337億3,377万ドルと、10月の+10.1%からやや減速したが、9か月連続でプラスの伸びだった。主力の電子・電子部品や機械・機械設備が引き続きけん引した。
[ユーロ圏] ECBは12月12日の理事会で、0.25%の利下げを決定した。中銀預金金利は3.25%から3.00%に引き下げられた。6月の利下げ開始から計4回(1%利下げ)となる。ディスインフレのプロセスは想定通りとしつつも、ラガルドECB総裁は、物価抑制の勝利宣言はまだできないと慎重な姿勢を示した。しかし、政策金利の決定は引き続きデータ依存で、会合ごとのアプローチに従うものの、前回10月までの「制約の適切な水準や期間を決める際」から今回は「適切な金融政策姿勢を決める際」へと文言が変わるなど、追加利下げも示唆された。
[コロンビア] 2025年予算の不足を埋めるためのペトロ大統領の資金調達法案が議会で否決された。先日就任したばかりのゲバラ財務大臣はじめ、政権には痛手となるが、この決定により、政府は歳出削減を余儀なくされるとみられ、肯定的に捉える意見も出ている。
[中国] 12月12日、中国で翌年の経済方針を決定する「中央経済工作会議」が終了した。この会議に先立って12月9日に開催された政治局会議で打ち出された方針を踏襲する内容で、「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を強調する内容となっているが、目新しい内容はない。具体的な数値や政策は来年(2025年)3月の全国人民代表大会で発表される見込み。財政赤字比率の拡大や超長期特別国債の発行拡大、預金準備率と金利の適時引き下げなどが書き込まれている。また、公共安全システムガバナンスの強化が今年度新たに盛り込まれた。
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