デイリー・アップデート

2018年9月7日 (金)

[ブラジル] 9月6日、ブラジル大統領選の候補者で世論調査首位のボルソナロ下院議員が遊説中に腹部を刺され重傷を負った。報道によれば、手術は終了し、容態は安定しているとのこと。犯人は逮捕されたが、背後関係等はまだ明らかになっていない。

[中国] 財新/マークイットが発表した8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.6と、7月の50.8から低下し、14か月ぶり低水準となっており、中でも新規輸出受注指数は48.8だった。50を下回った期間としては、2016年上期以来最長となり、7月は48.4であった。テンセント・ホールディングス(騰訊)や華為技術(ファーウェイ)などが本社を構え、中国全体の輸出の約3分の1を占める広東省では、8月のPMI(広東省経済・情報委員会発表)は49.3に低下、約2年半ぶりに50を割り込んだ。輸出企業が米中貿易摩擦の影響を既に受けていること示唆している。

[欧州] ヨーロッパのPMIは7月の55.1ポイントから8月の54.6ポイントに低下した。これは2016年11月以来、最低の水準となっている。ただ、50ポイント以上は景気拡張を表すので、ヨーロッパの景気は60ヶ月連続で、拡張しているといえる。全体的に生産が増加している。ただ、新規受注は非常に低い水準になった。それにより在庫がやや増加した。7月と比較すると、輸出はそれほど変わらず、低い水準にとどまっている。これは、貿易摩擦とBrexitの懸念がEU諸国に悪影響を及ぼしているためと思われる。

[ロシア] 9月9日、知事・首長などを選ぶ統一地方選挙が行われる予定となっており、プーチン大統領の与党・「統一ロシア」の候補が優勢となっている。首都モスクワでは、市長選が予定されており、現職のソビャ-ニン氏の再選が確実視されている。

[イギリス] 海軍艦艇アルビオンが、日本周辺での活動終了後にベトナムに向かう途中で南シナ海のパラセル諸島付近を航行。イギリス側の主張は、中国政府のパラセル諸島領有権の主張をイギリスが承認していないことを示すための国際法に則った”航行の自由”の行使。イギリス政府は、今年5月にマティス米国防長官が発表した南シナ海での”航行の自由作戦”の継続に賛同している。

[イスラエル] 今年5月に米国が大使館をテルアビブからエルサレムに移転したのに続き、グアテマラとパラグアイが同様に大使館をエルサレムに移転したが、2018年8月に就任したばかりのレバノン系のパラグアイ大統領が大使館をテルアビブに戻す決断をした。これに反発したイスラエルは駐パラグアイ大使館を閉鎖、米国はパラグアイに再考を促し、逆にパレスチナ自治政府とトルコはこれを機に駐パラグアイ大使館を開設する旨発表するなど、各国に波紋を広げている。

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