デイリー・アップデート

2018年9月19日 (水)

[中国] 中国国営石油会社CNPCの調査部門が調査レポートを発表。同国のディーゼル需要のピークは既に到来、ガソリン需要は2025年にピークをつけ、天然ガス需要は今後20年に渡り増加を続けるとの見通しを示した。また中国の石油需要は2030年までに日量1380万バレル(年6.9億トン)でピークをつけるとした。現在世界1位の地位にある原油輸入量については2030年まで日量400万バレルほどを維持すると予想。

[砂糖] 世界的な供給過剰により低迷を続ける砂糖価格だが、先週インドでエタノール価格の25%引き上げが決定されたことなどからショートカバーが入り、$12/lbまで価格が回復。インドは自国の原油輸入比率を下げるためにも、エタノール推進政策を推し進めるが、精製能力の限界もあり、砂糖の減産は短期的には限定的。加えて新たな砂糖農家への補助を打ち出しており、当面砂糖価格の頭を重くする(上昇を抑制する)要因に。

[ロシア] ロシア極東の知事選決選投票が9月16日に実施され、与党「統一ロシア」から立候補したタラセンコ知事代理が開票率約99%の段階で共産党候補イシチェンコ氏をわずかにリードした。共産党は票の改ざんが疑われると主張し、強く反発している。タラセンコ陣営は共産党が賄賂をばらまいたと反論し、泥仕合の様相を呈している。

[インド] 9月18日、インド政府は米国による鉄鋼・アルミニウムの追加関税に対する報復関税(29品目、2億4100万ドル相当額の輸入品対象)の発動を11月2日に延期した。当初は8月4日に発動予定だったが9月18日に延期し、今回再度の延期になった。米印間の交渉が続いているとみられる。米国はインドのイランからの原油輸入の継続、ロシアからの対空ミサイル購入計画を問題視している。9月6日に米印両国は初の外務・防衛閣僚協議(2+2)を開催、軍事情報の共有を可能にする協定に署名し、防衛協力を強化している。

[シリア] 9月17日、最後の反体制派拠点イドリブへのアサド政権軍の総攻撃を止めるべく、トルコがロシアと合意した。10月15日までに非武装地帯を設置しアルカイダ系のHTSを排除、また反体制派の持つ重火器も排除する計画。同17日夜にはロシア軍機がシリアの対空ミサイルに撃墜され15人が死亡する事故が発生。ロシア軍は、シリア軍は近くで空爆を行っていたイスラエル軍機を狙っていたとして、イスラエル軍に対し作戦実施の連絡が直前までなかったことを非難。

[米/中] 9月17日にトランプ政権が対中制裁関税の第3弾発動を決定したことに対し、9月18日、中国政府は報復措置の発動を発表。米国の追加関税と同様に9月24日から、600億ドル相当の米国からの輸入品5207品目に対して追加関税5%、10%を賦課する予定。今月の開催が見込まれていた米中閣僚協議の行方は不透明。

[インド] 政府は、バロダ銀行とビジャヤ銀行、デナ銀行の公営銀行(PSB)3行の合併を提案。預金と貸出金の総額が15兆ルピー(約23兆円)規模の国内3位の銀行となる。インドでは銀行の不良債権8兆4600億ルピー(約13兆円)の9割を国営銀行が保有している。統合で体力のある銀行をつくり、不良債権処理を加速させることが狙い。しかし、ラグラム・ラジャンRBI前総裁や全インド銀行従業員労働組合(AIBEA)などからは反対の声も上がっている。

[日本] 8月の貿易統計によると、2か月連続で貿易赤字(4446億円)となった。ただし、輸出額は21か月連続で前年比プラスとなっており、増加基調にある。米国向け輸出は医薬品や建設用・鉱山用機械などがけん引して、3か月ぶりに増加。また、中国向け輸出は半導体等製造装置、自動車輸出などが寄与し、6か月連続で増加した。

[エチオピア/エリトリア] 9月16日、エチオピアのアビー首相とエリトリアのイサイアス大統領が、サウジアラビアのサルマン国王とグテーレス国連事務総長の仲介の下、サウジアラビアで2度目の和平合意に署名。2000年の和平合意後も国境紛争が続いていた。エチオピア・エリトリア両国とソマリアを含めた3か国は9月5日に包括協力協定に署名し、政治・経済から東アフリカの安全保障などのあらゆる面で協力。エリトリアとジブチの国境問題はエチオピアとサウジアラビアが仲介する見込み。

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