デイリー・アップデート

2018年9月14日 (金)

[原油] IEA(国際エネルギー機関)は9月13日公表の9月月報で、世界の石油消費が2018年第4四半期に日量1億バレルを突破すると予想。足元で世界情勢が混迷する中でも、EIA(米エネルギー情報局)やOPECとは対照的に需要伸び幅の見通しを下方修正せず据え置いた。冒頭コラムのタイトルは「Tightening up on the way」。深刻化するイランやベネズエラの供給の落ち込みを他国が相殺できなければ市場はタイト化し、価格上昇圧力になるとの見方を示した。

[中東] サウジアラビアがイスラエルから、アイアンドーム・ミサイル防衛システムを購入したとの記事がUAE紙のネット版で報道された。真偽のほどは定かではないが、米国が対イラン包囲網を形成する中で、近年国交を持たないサウジとイスラエルの接近が見られている。報道によるとイスラエルは当初この提案を拒否したが、クシュナー米大統領上級顧問がイスラエル政権高官を説得したとのこと。イスラエルはこの報道を否定し、サウジは沈黙を守っている。

[米国] 9月12日に労働省が発表した8月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.1%下落し、2017年2月以来初めて落ち込んだ。そのうち、サービスは2カ月連続で0.1%下落し、中でも卸売・小売の利益幅を示す貿易サービスが0.9%下落した。機械と専門機器の卸売りサービスが1.7%下落し、8月のサービス全体の下落要因の8割超を占めた。

[欧州] 欧州中央銀行(ECB)は9月13日開催の理事会で、10月から資産買入れプログラムの月額購入額を150億ユーロに半減し、年末に終了させること、また利上げについても来年の夏以降という従来の方針を変えなかった。経済成長率の見通しは、2018、19、20年にそれぞれ+2.0%、+1.8%、+1.7%、インフレ率は各年とも+1.7%としており、ECBのインフレ目標を満たすことになるとした。

[ドイツ] ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)発表のドイツ景況感指数は8月の▲13.7から9月の▲10.6に上昇した。いまだ「悪化」が「改善」を上回りマイナス水準にとどまっているが、ロイター調査で▲14.0だった9月予測や8月実績と比較すると、9月の指数はやや改善している。ただし、自動車業界について、調査参加者の48.8%は「次の6か月は悪くなる」と回答した。この予想は8月から1.5%ポイント増加し、非常に高い水準にとどまっているので、自動車に関して貿易摩擦の懸念が残っていると考えられる。

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