デイリー・アップデート

2023年5月30日 (火)

[日本] 総務省『労働力調査』によると、4月の完全失業率は2.6%となり、前月の2.8%から0.2pt低下した。就業者数が前月から13万人増加し、完全失業者数が15万人減少した。また、厚生労働省『一般職業紹介状況』によると、4月の有効求人倍率は1.32倍となり、前月と同水準だった。都道府県別では、神奈川県の1.10倍から福井県の1.95倍まで分布しているものの、全都道府県で1倍超が継続している。国内の雇用環境は総じて堅調に推移している。

[中国/韓国] 中国商務部の王文濤部長と韓国産業通商資源部の安徳根(アン・ドックン)通商交渉本部長が、APEC通商閣僚会議で二国間会談を行った後、中国商務部が5月27日に、「半導体産業ネットワークとサプライチェーン安定などについて議論した。双方は半導体産業ネットワークとサプライチェーンの分野で対話と協力を強化することに同意した」と発表した。これに対し、韓国側は「半導体サプライチェーンに関する具体的なやりとりはなかった」と反論した。

[トルコ] 5月28日、大統領選挙の決選投票が実施され、得票率52.18%で現職のエルドアン大統領が、対抗馬の野党統一候補クルチダルオール氏を下して再選を果たした。2022年後半の年率80%を超えるインフレや、対ドルで過去最安値を更新する通貨リラなどの経済問題、そして2023年2月の大地震の際の初期対応に対する批判などもあり、当初はエルドアン氏及び与党の劣勢も伝えられたが、大統領は再選を決め、議会でもエルドアン大統領が党首を務める与党AKP主導の連合が過半数議席を維持する結果となった。

[米国/北欧] 5月29日からブリンケン国務長官が北欧諸国を外遊する。29日からはスウェーデンにて、商務長官、米通商代表らと共に米EU貿易技術評議会(TTC)の第4回閣僚会合に臨む。TTCは、新興技術や貿易関連課題について米EU間協力を促進するためのプラットフォームで、供給網強靭化、AIガバナンスといった課題に加え、米インフレ抑制法をめぐる米EU摩擦への対応が注視される。その後、国務長官はノルウェイでNATO外相会合に参加し、フィンランドではウクライナ戦争について演説を行う予定で、今後の米国、NATOの方針を示唆するような発言の有無が注目される。

[ロシア/ケニア/アフリカ] 5月29日、ロシアのラブロフ外相はケニアを訪問し、ケニア大統領府と企業間協力の強化に向けた通商協定を締結すると発表した。ロシアは主に穀物と肥料をケニアに輸出している。ロシアはウクライナ侵攻後の欧米との関係悪化をアフリカとの経済協力強化で埋め合わせる動きを加速させてきた。7月にはロシアのサンクトペテルブルク市で「アフリカ・ロシア首脳会議」を開催する予定。

[中国] 上海市気象局によると、5月29日、上海で100年ぶりに5月の最高気温が更新され、36.7度を記録した。上海市は今年初の高温警告(黄色)を発した。中国南部では広範囲にわたり蒸し暑い日々が続いており、広東、広西チワン族自治区、雲南、貴州、海南、香港・マカオに電力を供給している南方電網は、2022年より約1か月早い5月22日に、最高電力負荷が2億キロワットを突破したと発表した。国家エネルギー局は2023年4月に、一部の省(南部)では夏の電力使用量がひっ迫する可能性があるとの見解を示していた。

[米国/中国] 米中両国間の高官対話は、バイデン政権の先端半導体の対中輸出強化や中国製気球の米国大陸横断事件により中断されていたが、最近、空席となっていた駐米中国大使が着任したり、2020年以降で初めて中国商務部長が中国政府高官として訪米したり、またサリバン米大統領補佐官が中国外交トップの王毅委員との会談を実現させている。米中間の戦略的競争いにおける新たな段階が始まる可能性があり、米中関係は重要な局面を迎えつつある。

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