デイリー・アップデート

2024年6月25日 (火)

[インド] 6月13日、インドの不動産サービス大手アナロック・プロパティー・コンサルタンツ(ANAROCK)の発表によると、2022/2023年度から2023/2024年度(年度は4月から翌3月)にかけての主要7都市の住宅価格の年平均は、前年度比+13%だった。2023/2024年度の消費者物価指数(CPI)は、2022/2023年度の+6.7%から低下して+5.4%に減速したが、住宅価格の高騰は続いている。主要7都市は、ムンバイ、プネ、北部デリー首都圏(NCR)、ベンガルール、ハイデラバード、チェンナイ、コルカタ。

[ドイツ] ifo経済研究所の6月の企業景況感指数(2015年=100)は88.6となり、5月(89.3)から低下した。内訳をみると、足元の状態を表す現況指数が88.3となり5月から横ばいだった一方で、先行きを表す期待指数は89.0と5月(90.3)から低下した。現況指数も2015年水準を下回っており、回復は道半ばであるものの、製造業や建設業を中心に受注の減少などから、先行きの回復への懸念が募ったようだ。

[メキシコ] 6月前半の消費者物価は前年同期比で+4.7%と横ばいとなり、依然として中銀の目標範囲である2~4%のレンジを上回った。またコアサービスインフレが高止まりしており、労働市場のひっ迫を示している。今週の決定会合においても、中銀は引き続き金利を据え置くとみられる。

[ガーナ] 6月24日、ガーナ財務省は同国が起債したユーロ債の債券保有者団体との間で再編条件の「基本合意(AIP)」に達したと発表した。2022年12月にデフォルトに陥った同国は、総額130億ドル規模のユーロ債の債務返済に関し、民間債権者と交渉を続けてきた。今回の基本合意により、債権者は総額47億ドルの債権を放棄し、国際通貨基金(IMF)による同国向けの財政支援プログラムが終了する2026年まで約44億ドルの償還猶予を認める見込み。同国は公的債権者団体との債務再編に関しについても6月12日に正式な合意を発表しており、6月28日に開催予定のIMF理事会で3億6千万ドルの融資が承認される可能性が高い。

[米国] 最近、ラーム・エマニュエル駐日米国大使は、日米同盟のさらなる強化を目的として日米両国政府はミサイルやそのほか最先端技術の共同生産を加速すべきとの議論を展開している。そのためには米国は技術移転を迅速化する一方、日本は武器輸出規制を緩和する必要があり、それぞれ関連法規の改正に取り組むよう訴えている。エマニュエル大使は、そうした取り組みが対中抑止力の強化や対ウクライナ武器供与にも貢献することになると訴えている。

[米国] 6月21日、米最高裁は、家庭内暴力の加害者による銃所持を禁止する法律は合憲であるとの判決を下した。銃規制強化の立場であるバイデン大統領は、判決を歓迎する声明を発表し、さらなる立法措置を通じて銃規制を進めるよう議会に求めた。米最高裁は実質的に会期末を迎えており、6月末から7月にかけて、重要判決が相次ぐ見込み。今後、トランプ前大統領の免責特権、連邦議会襲撃事件に際しての公的手続き妨害容疑の適用、連邦政府による法解釈権限などに対する最高裁の判断が注目されている。

[EU/ハンガリー/イスラエル] 6月24日に開かれたEU外相会合で、ボレルEU上級代表がガザ戦争に関して「今となっては停戦などが全くないことが明らか」と悲観的な見方を発表した。EUはイスラエル最大の貿易相手地域であることから、2000年に発効した文化から貿易までを扱うEU・イスラエル連合協定が対イスラエル圧力として有効とみられるが、親イスラエル国のハンガリーが7月のEU議長国就任(6か月の輪番制)を前にイスラエルとの関係を強化するなど、EU加盟国間の分裂が目立つ。

[中国/EU/ドイツ] 6月22日、中国の王文涛商務部長とEUのドンブロウスキス上級副委員長(通商担当)は、EUによる中国製電気自動車(EV)に対する反補助金調査をめぐる協議を開始することで合意した。また、同日、王氏は中国を訪問中のハベック独経済相とも会談を行い、ドイツがEUに中国製EVに対する課税を撤回するよう説得すれば、大型エンジン車に対する既存の関税を引き下げることを提案し、ドイツの高級車メーカーが恩恵を受けると示唆したとブルームバーグなどが報じている。

[イラン/バーレーン] 6月23日、バーレーンのザヤニ外相がテヘランを訪問してイランのバーゲリ・キャニ外相代行との会談を実施し、両国の国交正常化とバーレーン国内にあるイランの凍結資産の解放についての協議を開始することで合意した。バーレーンは、2016年1月にサウジアラビアがイランとの国交を断絶したのに同調してイランとの国交を断絶。サウジアラビアはその後、2023年3月に中国の仲介でイランとの国交を正常化させた。今回バーレーンは、ロシアを仲介してイランに国交正常化交渉の打診をしたとのこと。

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