デイリー・アップデート

2024年11月12日 (火)

[日本] 内閣府「景気ウォッチャー調査」によると、10月の現状判断DIは47.5となり、9月から0.3pt低下した。低下は2か月連続。製造業の持ち直しから企業動向部門は49.5へと、2か月連続で増加した一方で、家計動向部門は46.4へ、2か月連続で低下した。小売り関連や飲食関連などが低下している。インバウンドや観光・修学旅行など、復調の兆しが見える部分があるものの、物価上昇によって購入点数の減少など消費者の生活防衛が引き続き見られている点が重石になっている。

[フィリピン] 11月11日、マルコス大統領は、外資優遇を目的にした企業復興税優遇法(CREATE)の改正法「CREATE MORE」に署名し、同法が成立した。この法の施行により、2025年から2028年にかけて合計59億ペソ(約155億円)の減税効果が見込まれている。付加価値税(VAT)の取り扱いと税還付が改善される一方で、日系企業が多い輸出型製造業への税優遇措置の縮小は続く見通しである。

[米国] 11月11日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ次期大統領がウォルツ下院議員に対して、国家安全保障問題担当の大統領補佐官に就任するよう要請したと報じた。ウォルツ下院議員はフロリダ州選出、米陸軍にて26年に及ぶ軍歴があり、特殊部隊に所属していたこともある。トランプ陣営からは、首席補佐官、国境警備政策担当者、環境保護庁長官、国連大使などの次期政権幹部候補者が徐々に明らかにされつつある。国家安全保障問題担当補佐官は、国防総省、国務省など外交安全保障政策を担う諸省庁間の調整を、ホワイトハウスにて務める立場にある。

[米国] トランプ次期大統領は次期国連大使に親トランプ派で下院共和党指導部ナンバー4の下院共和党会議議長のエリサ・ステファニック下院議員(ニューヨーク州第21区選出)を起用する方針を固めた。ステファニック氏はイスラエルの熱心な支持者として知られており、パレスチナ難民の支援、保護を目的として活動している国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)にハマスの勢力が浸透しているとして、米国から同機関に対する予算拠出を停止すべきと主張している。

[欧州] 11月8日に開かれたEU首脳会合(非公式)で、新たな競争力協定と呼ばれるブダペスト宣言が署名された。この宣言では、27加盟国の利益のために、団結、連帯してEU域内の経済活性化と競争力強化に取り組み、アメリカや中国との格差を解消することが目的とされている。

[インドネシア/中国] 11月9日、インドネシアのプラボウォ大統領が中国を訪問し、北京で習近平国家主席と会談した。同大統領の外国訪問は10月20日の就任後初めて。会談後に「包括的戦略的パートナーシップと中国・インドネシアの運命共同体の推進に関する共同声明」が発表された。経済に加え安保面での協力も強化し、2025年に外務・防衛担当閣僚協議(2+2)の初会合を開催するとした。プラボウォ大統領は訪中後、米国を訪問し、ペルーでのAPEC、ブラジルでのG20サミットに出席する予定。その後、英国、中東諸国を訪問してから帰国するとしている。

[イスラエル/パレスチナ] 11月11日、イスラエルのスモトリッチ財務相は、2025年1月にトランプ大統領が就任する前にイスラエルの占領下にあるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区の併合に向けた準備を命じたと発表した。同氏は、自身も国際法上違法とされるヨルダン川西岸地区の入植地に住んでおり、第1次トランプ政権下でトランプ大統領がさまざまな親イスラエル政策をとったことを理由に、「2025年はユダヤとサマリア(ヨルダン川西岸地区の聖書上での呼称)における(イスラエルの)主権行使の年だ」とXに投稿した。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

21人が「いいね!」と言っています。