デイリー・アップデート

2025年4月17日 (木)

[日本] 財務省「貿易統計」によると、2024年度の輸出額は108.9兆円(前年度比+5.9%)と4年連続で増加した。半導体等製造装置や半導体等電子部品、自動車などが増加した。輸出数量は▲2.4%と3年連続で減少しており、対ドルの円相場が円安・ドル高に振れても、輸出数量は増えていない。一方で、輸入額は114.2兆円(+4.7%)と2年ぶりに増加した。石炭や原粗油が減少したのに対して、電算機類や通信機などが増加した。貿易収支は▲5.2兆円の赤字だった。

[ブラジル] 政府は、基礎的財政収支の改善見通しを発表した。2026年に対GDP比で0.25%の黒字化を達成し、2027年に0.5%、2028年に1.0%に加え、2029年も1.25%と黒字幅を拡大することが示された。しかし、同時に発表した公的債務総額の見通しは、金融引き締めの継続による金利上昇と、それに伴う利払い費の上昇により大きく悪化させ、従来2027年に対GDP比で81.8%のピークを迎えるとしていたものを、2028年にGDP比84.2%まで拡大すると予想している。

[ドイツ] 2月の連立議会選挙で勝利した中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と第3党となった中道左派の社会民主党(SPD)は連立協定を結び、低迷するドイツ経済に対し、税制改革やエネルギー価格の引き下げなど、競争力を取り戻す改革を打ち出した。しかし、両党はすでに政策をめぐって意見を対立させており、財政上の制約も取りざたされており、改革の実現可能性には疑義が残る。

[アフリカ] 米・衛星通信事業者「スターリンク」がアフリカでの事業を拡大している。4月に入り、ギニアビサウ、ソマリア、レソトが同社による通信事業を認可した。スターリンクは世界100か国以上でインターネット通信サービスを提供しているが、アフリカで導入した国は54か国中、20か国に満たない。インターネット普及率が5割以下の国が30以上あるアフリカでは、人工衛星を介した同社のサービスがゲームチェンジャーとなる可能性がある。他方で、同社の親会社「スペースX」のイーロン・マスクCEOは、南アフリカ政府の「人種差別的」な対応が同国への事業参入を阻害していると主張している。

[ウクライナ] 4月16日、ウクライナ議会は、戒厳令と、兵士の総動員について、2025年8月7日まで90日間延長する法案を可決した。戒厳令下での国政選挙は禁じられている。戒厳令の継続により、18~60歳の男性の出国は原則禁止となる措置などが維持される。

[フランス/アルジェリア] 4月14日、アルジェリア政府はフランスの外交官12人に48時間以内の国外退去を命じた。これは、領事館員を含むアルジェリア国民3人がフランスに亡命しているアルジェリア人活動家を誘拐したとして、フランスの検察がこの3人を拘束し起訴したことを受けて行われた。翌15日には、フランス政府が、アルジェリアの外交官および領事館職員12人に対する国外追放と在アルジェリア・フランス大使の本国召還を発表した。アルジェリアと旧宗主国フランスとの間での外交対立がエスカレートしている。

[米国] 4月14日、米各紙は、ホワイトハウスは国務省の2026年度予算を、おおよそ半分の規模にまで削減する予定であると報じた。米紙が入手した政府内文書によると、ホワイトハウスは、国務省の2025年度予算が588億ドルであったところ、2026年度には284億ドルの規模まで縮小する(約48%の削減)意向。海外人道支援や国際機関への拠出などが大幅に削減される計画となっている。連邦政府の予算を最終的に策定するのは連邦議会であるため、米外交活動が大幅に制約されるような予算案に対して、議会がどこまで抵抗するのかが注目される。

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