2025年4月23日 (水)
[サブサハラ・アフリカ(サブサハラ)] 4月22日、国際通貨基金(IMF)は「世界経済見通し」を発表し、2025年のサブサハラの実質GDP成長率を3.8%と予測した。前回2024年10月の見通しから0.4ポイント下方修正された。IMFは、域内のGDPの2割強を占める南アフリカについて、内政および米国の保護主義の動きによる不確実性を理由に2025年の成長率を0.5ポイント低い1.0%に見直した。また、域内第二の経済規模を有する産油国のナイジェリアも、世界的な原油価格下落の影響により、0.2ポイント低い3.0%に下方修正した。IMFは2026年の同地域全体の経済成長は4.2%に回復すると予測している。
[米国] 4月22日、スコット・ベッセント財務長官はIMF・世銀春季会合のサイドイベントとして、JPモルガンが主催した非公開の投資家会合に出席。参加者によると、ベッセント氏は現在の米中双方の「禁輸措置」は持続可能でなく、包括的合意に時間がかかるにせよ「非常に近い将来、(米中の)緊張緩和が進み、市場に安堵をもたらす」との見解を示した。貿易を巡る不確実性は今後数か月で鎮静化し、政権はほかの優先課題に集中できるようになる、トランプ減税延長は早ければ7月4日(独立記念日)に完了する、との考えも示した。
[米国] 出生率が急激に低下していることが問題となっている。2023年のアメリカの出生数は約359万人となっているが、前年より8万人弱減少している。2015年から2020年まで出生数は毎年2%ずつ低下しており、パンデミック期は4%低下したという。トランプ政権は、出生率・出生数の歴史的な減少を受けて、これを引き上げるためにいくつかの異なる施策を検討していると報じられている。その一つに5,000ドルの「ベビーボーナス」が含まれている。行政は資金補助だけでなく、出産に関する教育的支援なども検討しており、専門家とホワイトハウスとの間で会合を続けていると報じられている。
[ロシア/ウクライナ] ロシアのプーチン大統領は、トランプ米大統領が進めるウクライナとの和平合意に向けた取り組みの一環として、現在の前線に沿ってウクライナへの侵攻を停止することを提案したと一部の欧米のメディアが報じた。ロシアは以前、停戦の条件としてウクライナ東・南部4州の全域からのウクライナ軍の撤退を要求していた。報道が事実なら、ロシア側による異例の具体的な停戦案となる。
[韓国/中国] 韓国経済新聞は、韓国の変圧器メーカー2社が、米国の軍事関連企業に中国の重要鉱物を含む製品を輸出した場合対抗措置を取ると、中国商務部からの公式通知で警告されたと報じている。書簡には、潜在的な制裁措置や罰則の内容については明記されていないが、今後、中国の重要鉱物を使用している半導体、バッテリー、電気自動車などでも同様の事態が起こることが懸念されている。
[ロシア/オマーン] 4月22日、オマーンのハイサム国王とロシアのプーチン大統領がモスクワで会談を実施した。今年(2025年)は、ロシアとオマーンが外交関係を樹立して40周年にあたる。両国は、複数の覚書の調印、合同経済委員会の設立、ビザ要件の相互免除に関する協定への署名などを実施し、プーチン大統領は今年後半に初のロシア・アラブ連盟サミットを開催する計画を発表した。オマーンの仲介で進められている米国とイランによる核協議や、ガザ停戦を含むパレスチナ問題などについても話し合われた。
[米国] 4月22日、ルビオ国務長官は、国務省の抜本改革に着手すると発表した。具体的な計画は公になっていないが、既に国務省予算を所掌する議会の常任委員会に対しては改革案が提示されており、米国内人員の15%削減、132部署の廃止などが盛り込まれていると報じられている。国務省は職員8万人、年度予算は580億ドルの巨大な行政機構で、トランプ大統領はかねてより、国務省に対しては批判的だった。ルビオ国務長官は、組織が肥大化し、過激な政治イデオロギーにとらわれていることなどを挙げ、改革の必要性を訴えている。
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