デイリー・アップデート

2022年12月1日 (木)

[米国] 11月8日に投票が行われた中間選挙の上院議員選挙で、南部ジョージア州では、民主党現職ワーノック上院議員、共和党のウォーカー候補共に有効投票の過半数を獲得できなかったため、12月6日、州法に基づき決選投票が行われる。民主党は上院で改選後50議席を獲得しており、ハリス副大統領が上院議長を兼務することから、2023年1月召集の第118議会でも引き続き多数党の立場を維持することになっているが、ワーノック氏再選となった場合、民主党の上院での議席数は51議席となる。

[ユーロ圏] EU統計局(Eurostat)によると、11月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)は前年同月比+10.0%となり、10月の+10.6%から伸び幅がやや縮小したものの、2か月連続で10%超となった。エネルギー価格は+34.9%と3か月ぶりに40%を下回ったとはいえ、高い伸び率を維持した。食料品は+13.6%となり、11月の+12.4%から拡大、4か月連続で10%超だった。サービス価格は10月から▲0.1ptの+4.2%になった。物価抑制のために、ECBは12月会合でも追加利上げを実施するとみられる。

[ガーナ] Moody'sはガーナの信用格付けをCaa2からCaに格下げした。同国は現在IMFと債務再編交渉を開始したところだが、現地通貨建て、外貨建てともに民間債権者が大きく損失を被るリスクが指摘されている。

[中国] 11月30日、国営新華社は、江沢民元総書記が死去したと発表した。享年96歳。江氏は10月の第20回党大会も欠席し、11月半ばには、中国国内で体調不良や死去の噂が流れていた。中国共産党は同氏の葬儀委員会名簿を発表、現政治局常務委員らのほか、胡錦涛元総書記や朱鎔基、温家宝、李瑞環、呉邦国、賈慶林、曾慶紅(敬称略)などが名を連ねている。葬儀は1週間以内に実施される予定。かつて中国では元指導者の死去を悼む市民の集まりが民主化デモに発展した経緯があり、江氏が党委書記を務めていた上海市などでは警備が強化されている。

[トルコ] 国家統計局は、2022年第3四半期の成長率が、季節・日数調整済みの前期比で▲0.1%に落ち込んだと発表した。トルコの四半期成長率がマイナスを記録するのは、新型コロナ禍が始まった直後の2020年第2四半期以来初となる。個人消費は引き続き好調だったが、固定資産投資と輸出の減少が成長率の減速に響いた。2022年は、年前半の成長率が+7.5%を超えていることから、年率換算では+5%を維持する見通し。

[中国] 11月30日午後、広東省広州市にある天河区、越秀区、白雲区、海珠区、黄埔区など10区が相次いで告知文書を発表し、それまでの感染予防臨時管理区域としての管理措置を解除、囲い込みのために設置されていたバリケードや警戒線が撤去され、移動制限も解除された。感染の主戦場となっていた海珠区は、全域が「低リスク区域」(個人による感染防止、密集の回避が義務付けられる)に移行した。広州市は11月30日の新規感染者数が6,942人と一都市としては国内最多だが、中央政府が提唱した緩和措置を果断に実行に移したものとみられる。

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