デイリー・アップデート

2022年12月7日 (水)

[タイ] 12月2日の政府官公庁(TAT)の発表によると、2022年1~11月の外国人観光客数は940万人だった。政府の通年目標である1,000万人の達成は確実になりつつある。最多となったマレーシアからの旅行者は150万人を超え、10月以降はロシアからの旅行者(新型コロナウイルス感染症の流行前は年間200万人)も増加している。タイ中央銀行(BOT)は2023年は2022年の2倍強となる2,200万人になると見込んでいる。2021年の外国人旅行者は42万8,000人だった。

[チリ] 昨日の金融政策決定会合では、全会一致で11.25%の政策金利を維持することが決定された。これで、ブラジルなどに続いて利上げサイクルは一旦停止したこととなり、これまでのインフレの高進とそれを引き留めるための利上げという構図が変わりつつあることを示している。一方で、インフレ率の低下は緩やかになるとみられており、すぐに利下げに踏み切ることは難しいとみられる。

[ロシア] ウクライナによるロシアへのドローン(無人機)攻撃が相次いでいる。ロシア国防省は12月5日、モスクワ南東のリャザニ州や南部サラトフ州の空軍基地にウクライナ側の無人機攻撃があったと発表し、6日、ウクライナ国境に近いロシア南西部クルスク州のクルスク空港付近の石油貯蔵施設に対する無人機攻撃もあったもよう。

[インド/中国] インド財務省の一部門である歳入情報部門が、中国のスマートフォンメーカーVivoがインドで製造したスマートフォン約27000台を他国に輸出するのを1週間以上妨げていると、ブルームバーグ紙(12/7付)が報じている。インド当局は、今年7月にVivoのインド事業に関係する口座にある47億5000万ルピー(5,876万ドル)をマネーロンダリングの疑いで差し押さえ、依然法廷で係争中である。2020年6月の中印国境での軍事衝突以降、インドでは一部の中国製品やサービスを排除する動きが出ている。

[サウジアラビア/中国] 12月7~9日の日程で中国の習近平国家主席がサウジアラビアを訪問する。同氏のサウジ訪問は2016年以来。二国間では戦略的パートナーシップ合意への署名や、計290億ドルに上る20件以上の合意が発表される予定。また、30以上の国家や国際機関のトップがリヤドに参集し、中国と湾岸協力会議(GCC)諸国及びアラブ諸国とのサミットも開催される予定。サウジにとって中国は最大の貿易相手国であり、他のアラブ諸国にとっても経済的に大きな存在感を示す中国との関係はますます重視されている。

[米国] 共和党保守派政治家のトム・コットン上院議員(アーカンソー州選出)は12月5日にウォールストリートジャーナル紙が主催したイベントにゲスト参加した。コットン上院議員は中間選挙で共和党関係者らが期待していた同党が圧勝する「レッド・ウェーブ(赤い波)」が発生しなかったことについて、特に上院の多数派奪還に失敗した要因として、トランプ前大統領の共和党候補の一部に対する支援が浮動票である無党派層の反発や離反を招いて足枷となった可能性に言及した。

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