デイリー・アップデート

2022年12月8日 (木)

[ブラジル] 金融政策決定会合は、セリック金利(政策金利)を3会合連続で13.75%に据え置くことを、全会一致で決定した。インフレ率はいまだ上向き、下向き双方の変動リスクを抱えているとみているが、新政権下での財政リスクの不確実性が上方リスクとしてあげられた。特に、新福祉プログラムと予算上限についての議論が注目されている。

[豪州] 12月7日、2022年7~9月期の実質GDP成長率は前期比+0.6%、前年同期比+5.9%だったと発表された。前期(前期比+0.9%、前年同期比+3.6%)から前期比では減速したが、堅調な拡大を続けた。経済の回復は続くが、インフレは前年比7%前後の高水準で推移しており、中銀は5月から12月まで8会合連続で利上げを行っているため(12月6日に政策金利を2.85%から3.10%に引き上げ)、景気の押し下げ要因となる。中国経済の減速が輸出に与える影響も懸念される。

[イスラエル/パレスチナ] カタールの衛星放送局アル・ジャジーラの女性記者(パレスチナ系米国人)が、2022年5月にヨルダン川西岸地区のジェニンでイスラエル軍の軍事作戦を取材中に銃弾を受け殺害された事件に関し、同局は事件の捜査と起訴を求めて国際刑事裁判所(ICC)に提訴した。これまでの捜査により、同記者はイスラエル軍兵士の銃弾で殺害された可能性が高いことが分かっているが、イスラエル政府は同事件に関するこれ以上の捜査を拒否している。米国務省報道官は、ICCへの提訴に反対すると表明した。

[米国] 動画共有アプリTikTokが国家安全保障上のリスクを提起しているとして、バイデン政権はTikTokとの協議を続けているが、米国政府関係者らの間で同アプリに関する新たなリスクへの懸念が強まる中、年内の合意締結を目標に継続されてきたバイデン政権とTikTokとの協議は、2023年に持ち越される可能性が浮上している。米議会では、野党・共和党の有力議員から、2023年1月に召集される第118議会でTikTokの米国内の利用を禁止する法案提出の動きも出てきている。

[ウクライナ] 12月7日、米「タイム」誌は毎年恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に、ウクライナのゼレンスキー大統領および「ウクライナの精神」を選んだと発表した。ロシアによるウクライナ侵攻にあらがい、母国を守るために戦う姿勢を評価した。

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