デイリー・アップデート

2022年12月20日 (火)

[ミャンマー] 中央統計局(CSO)の発表によると、2022年7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+19.6%と、前月の同+19.4%をやや上回り、民政移管後の2011年以降で最も高い上昇を記録した。今後8月以降の物価も、一段と上昇するとみられる。特にCPIを押し上げたのは「非食品」の同+21.4%だった。中でも、「交通」が同+44.9%、「家具・住宅設備・家庭内日常点検」が同+28.9%、「雑貨・その他サービス」が同+22.1%と上昇幅が大きかった。

[ドイツ] Ifo経済研究所が発表した12月の企業景況感指数(2015年=100)は88.6と、前月から2.2pt上昇した。上昇は3か月連続となった。内訳をみると、足元の状況を表す現況指数が94.4となり、7か月ぶりに上昇に転じた。一方、先行きを表す期待指数は83.2と、3か月連続で上昇している。供給網の混乱の緩和や物価のピークアウト期待などから、製造業などで足元の状況や見通しが持ち直しつつあり、これまでの想定ほど景気後退が深刻化しないという見方が広がった。

[ガーナ] 12月19日、ガーナは対外債務についての支払いの停止を発表し、事実上のデフォルトに陥った。ユーロ債、タームローンなどほとんどの二国間債務の支払いが対象となる。先週、IMFからの融資支援についてスタッフレベルの合意に達していたが、債務再編が条件となっており、国内向けの債務再編計画は公表されていたものの、対外債務者との交渉を迅速化する必要があった。

[中国] 12月19日、汪涛UBSアジア経済リサーチ主管は、「財新網」への投稿で、中国の経済成長見通しに関し以下のように述べた。◇10~11月の経済成長の弱まり、12月以降の成長も依然として弱いとの予想から、本年4QのGDP成長率見通しを前年同期比で従来予想の+3.3%から+2.0%に下方修正する。このため通年の見通しも同+3.1%から+2.7%に下方修正する。◇2023年は感染ピークの第一波が過ぎ年初以降の経済活動回復を予想、1QのGDPは同+1.8%だが2Qは+6.9%に跳ね上がる可能性があるとしている。通年では、予想よりも迅速な防疫規制緩和が同+4.5%を+4.9%に押し上げると予測している。

[アルゼンチン/中国] アルゼンチンのフェルナンデス大統領は、先週、同国がすぐに軍用機を購入することはないと発表し、中国にとって南米初の戦闘機輸出の話が後退したと、SCMP紙が報じている。アルゼンチンはフランス製戦闘機「ダッソーミラージュⅢ」が2015年に退役して以来戦闘機の取得を行っておらず、過去2年間、中国とパキスタンが共同開発した単座式全天候型多用途戦闘機FC-1/JF-17「サンダー」の購入について、アルゼンチンの地元メーカーによる部分的組立などを含め交渉していると報じられていた。

[米国] ロシアによるウクライナ侵攻から10か月目を迎え長期化したウクライナ戦争は、厳しい冬を迎え、「冬の戦争」へと移行しつつある。米国内では中間選挙の下院議員選挙での共和党の勝利で、下院は4年ぶりに同党が多数党に復帰する。バイデン政権はウクライナ戦争の「冬の戦争」への移行と共和党の下院奪還という新たな状況に直面する中、対ウクライナ支援継続のために、追加軍事支援や穏健派共和党議員との連携模索の動きを示している。

[ロシア/ベラルーシ] 12月19日、ロシアのプーチン大統領は、国防相と外相を伴ってベラルーシを訪問した。首都ミンスクでベラルーシのルカシェンコ大統領と首脳会談し、武器の相互供給や共同開発、合同軍事演習の継続など、両国が軍事・経済面での連携を強化することで合意した。旧ソ連の同盟国であるベラルーシにウクライナ侵攻に参加するよう圧力をかけるのではないかとの懸念が出ている。

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