デイリー・アップデート

2023年8月3日 (木)

[米国/台湾] 7月28日、バイデン政権は、3億4,500万ドル相当の武器を台湾に供与することを発表した。台湾への武器供与は、対ウクライナ追加軍事支援でも活用されている米軍が在庫として備蓄している武器を直接供与する制度の「大統領在庫引き出し権限(PDA)」を活用して、初めて供与されることになる。中国が台湾に対する軍事圧力を強める中、バイデン政権は台湾への武器供与の迅速化を図る狙いがある。バイデン政権は追加予算案にも、台湾への武器供与予算を盛り込む方針とみられる。

[バングラデシュ] 7月25日、S&Pグローバル・レーティングはバングラデシュのソブリン債の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。IMFの支援を受けていることに加え、最近では経常赤字が縮小しているにもかかわらず、対外流動性の状況は今後1年間で悪化する可能性があり、外貨準備高は依然として圧迫されていると指摘した。ソブリン債の格付けについては「BB-」に据え置いた。ムーディーズは5月30日にバングラデシュのソブリン債の信用格付けを「Ba3」から「B1」に引き下げ、格付け見通しは「安定的」としている。

[ロシア/トルコ] 8月2日、ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領は電話で会談し、トルコや国連が仲介しているウクライナ産の農産物をめぐる輸出の合意に関し、ロシアが7月から履行を停止している問題について協議した。プーチン大統領は西側諸国がロシアの穀物輸出に対する義務を果たせば直ちに復帰する用意があると伝えた。8月中に首脳会談についても協議し、実現に向けて調整すると合意した。

[インド/中国] 8月2日付の香港紙SCMPは、中国電気自動車(EV)大手のBYDが、インドへEV部品を輸出する際の税金納付額が過少である疑いがあるとして、インド歳入情報局の調査を受けていると報じた。インドは、完成したEVの輸入に対して、車両価格の70%または100%の税を課しているが、現地で組み立てるEV部品の輸入には15%または35%の課税を行っている。低い税率は、バッテリーパックやモーターなどの部品は車体に搭載されずに輸入される場合にのみ適用されるが、BYDはこの条件を満たしていなかったとされている。

[米国] 7月26日、国土安全保障省は、ウイグル強制労働防止法の今後の執行方針等について議会に報告書を提出した。同法は2021年12月に成立し、2022年6月から施行。中国の新疆ウイグル自治区にて生産された製品等は、全て強制労働によって生産されたと推定し、対米輸入を原則禁止する内容となっている。施行から1年を経て、同法に基づく輸入差し止めは4,651件(16億ドル相当)、うち872件は最終的に輸入禁止となったものの、1,849件は許可が下りている。執行対象品は電子機器関連が2,156件と最多で、衣料品等812件がそれに続く。国土安全保障省は、NGOとの連携などを強化し、強制労働に係る企業、団体の情報収集に努めていくとの方針を明らかにした。

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