デイリー・アップデート

2023年8月24日 (木)

[ASEAN] 8月19日、第55回ASEAN経済大臣会合(AEM)がインドネシア中部ジャワ州のスマランで開催された。2024年の地域的な包括的経済連携(RCEP)支援ユニットの設立に向けた準備や、2023年の優先的な経済成果(PED)の進捗が報告されたほか、ASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA)にかかる首脳声明が承認された。DEFAに関しては、9月に開催される第23回ASEAN経済共同体(AEC)評議会で首脳声明が採択され、交渉が開始する予定になっている。DEFAにより、同地域内において2030年までにEコマースなど含む2兆ドル規模のデジタル産業の発展を目指す。

[米国] 労働省は雇用統計の年次改定を発表した。改定は通常、年2回行われ、今回が1回目だった。2023年3月時点の非農業部門の雇用者数は、速報時点から▲30.6万人と下方修正された。これによって、月平均の雇用者数の変化も、従来の+33.7万人から+31万人に下方修正される計算だ。ただし、下方修正といっても全体から見れば小幅にとどまっており、雇用環境が底堅く推移しているという評価は変わらないとみられる。

[米国] 8月22日、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、バイデン大統領のG20サミット参加等、外遊日程が発表されたことを受けて記者会見に応じた。大統領がインドネシアに赴かないことをもってASEAN軽視との批判があることについては、バイデン政権の一連のアジア外交の取り組みを挙げ、全体観を欠いていると反論。また、商務長官の訪中についても、あくまで米中意思疎通の機会確保が狙いであり、具体的な外交成果は期待していないと述べた。気候変動対策や国防当局者の対話など、米中のみならず国際社会にとっても重要な課題に取り組む姿勢を中国が見せないことへの不満もにじませた。

[アルゼンチン] 8月21日、3桁のインフラに直面しているアルゼンチンで、左派フェルナンデス政権のマサ経済相が、インフレ抑制を目的とした新価格統制策である「公正価格プログラム」を、10月31日まで約2か月の期限付きで導入した。アルゼンチンでは10月22日、大統領選挙の第1回投票が予定されており、与党連合「祖国のための連合(HU)」の統一候補であるマサ経済相は、選挙での立場改善を目的として同新価格統制策を導入したとみられている。

[米国/中国] 米国半導体産業界協会(SIA)が会員向けに配布した資料によれば、米国政府の制裁対象となっている華為技術(Huawei)が、昨年地元深セン政府から約300億ドルを受け取り、半導体製造工場を建設しているとブルームバーグが報じている(8/23付)。SIAが指摘するように、Huaweiが自社の関与を秘匿し、他社名義で建設や購入を行うなら、禁止されている米国製の半導体製造装置や供給品を取得する可能性がある。レモンド米商務長官は来週中国を訪問する予定だが、米政府はHuaweiを含むハイテク企業に対する更なる規制を検討することを余儀なくされるとみられる。

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