デイリー・アップデート

2023年8月4日 (金)

[タイ] 8月2日、タイ中央銀行(BoT)は、政策金利(翌日物レポ金利)を25bp引き上げ2.25%とした。2022年8月以降、7会合連続で計175bpの引き上げとなり、過去9年での最高値となった。今回で利上げサイクルは終了するとみられる。インフレは目標値である1~3%の範囲内となり、景気回復も堅調に推移している。BoTは、「経済は観光と民間消費がドライバーとなり拡大する」と言及した。また、財輸出も2023年後半には回復するとの見方を示した。外国人旅行者はコロナ禍前の70%まで回復しているが、そのペースは遅い。

[イスラエル] 8月3日、イスラエルの最高裁判所は、2023年3月にイスラエル国会で可決された法律の破棄を求める請願に関する公聴会を実施した。同法律は、首相を失職させる場合、医学的な問題のみに限られ、さらに内閣の4分の3もしくは国会の3分の2以上が失職について賛成することを条件としている。最高裁判事は、同法律がネタニヤフ首相を利するためのものであることは明らかと発言した。最高裁の最終判断が示される日程は未定。現在イスラエルでは、政府・議会と司法との間で対立が強まり、社会不安を巻き起こしている。

[米国/中国] 8月3日、司法省は、米海軍の水兵2名を国防機密漏えいの疑いで逮捕したと発表した。1名は強襲揚陸艦の乗組員で、艦船の技術マニュアルなどの情報を中国情報機関の工作員に渡し、金銭を受け取っていたとみられる。ほかの1名は、沖縄の米軍レーダーの設計図、軍事演習における米海軍の動きなどについて、中国情報機関関係者に情報漏えいをしていたもよう。最近、米閣僚に対する中国のハッキング容疑や、米軍基地周辺インフラへの妨害工作などが相次いで報じられており、司法省関係者は、米国の民主主義を毀損しようとする中国の執拗なまでの試みが明らかになった、と述べた。

[米国] 6月27日、オバマ元大統領がホワイトハウスを訪問し、バイデン大統領とランチをしながら非公式に意見交換し、2024年大統領選挙でのバイデン氏再選のため、オバマ氏自ら全面協力の意向を表明したと、関係者らが明らかにした。オバマ氏は共和党大統領候補指名獲得争いで優位を確立しているトランプ前大統領について、強固な政治基盤や同氏に友好的な保守系メディアの存在、米国の分極化を挙げ、候補者として強敵となる懸念を表明した。

[中国] 8月3日、WSJ紙は、中国がゼロコロナを終了し、国境を開放してから半年が経ったが、海外からの旅行客は増えていないと報じた。旅行会社が企画した旅行で海外から中国本土に到着した人は、2019年第1四半期は370万人だったが、2023年同時期では52,000人だった。そのうち半数近くが台湾、香港、マカオからの旅行者だった。航空便の数が減少していることに加え、欧米との関係性が強く影響しているとみられる。米国政府は6月、「現地の恣意的な法の執行」の可能性があることから、米国人に中国本土への渡航を警告する渡航勧告を出している。

[ロシア] 8月3日、プーチン大統領は、国内製造業トップとの会合を行い、「すべての政府関係者は国産車に乗るべきだ」と述べた。国内産業の育成を徹底する狙いがあるとみられるが、実現の可能性については不明である。

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