デイリー・アップデート

2023年8月29日 (火)

[日本] 総務省「労働力調査」によると、7月の完全失業率は2.7%となり、6月から0.2pt上昇した。上昇は4か月ぶり。2022年通年(2.6%)を小幅に上回った。季節調整値で、就業者数が前月から▲10万人減少し、完全失業者数が27万人増加した。また、厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、7月の有効求人倍率は1.29倍となり、6月から0.01ポイント低下した。なお、就業地別でみると、47都道府県全てで有効求人倍率は1倍を上回っている。

[リビア/イスラエル] 8月28日、リビアと国交のないイスラエルの外相との会談を実施したことを理由に、前日に職務停止とされたリビアのマングーシュ外相が、正式に解任された。同会談は秘密会談のはずだったが、イスラエル外相が記者会見で公表した。会談の発表後、リビア国内でイスラエルとの関係正常化に反対する民衆暴動が発生し、ドゥベイバ首相はマングーシュ外相を解任した。同外相は安全のためトルコに避難したもよう。両国の関係正常化を仲介していた米バイデン政権も、イスラエル外相の発表に憤慨しているとのこと。

[米国/中国] 8月28日、レモンド商務長官は北京を訪問し、中国の王文涛商務部長と会談した。4時間にわたる会見を経て、米中両国は2024年から年2回、次官級協議の場を設けることで合意。貿易、投資について民間企業関係者も交えて協議することで、懸案事項に対する解決策を模索する。また、局長級で輸出管理の執行状況について情報の交換を行うことも合意され、早速、今週中に北京で実施される。米国側としては国家安全保障上の要請で、実施している経済施策が無用の誤解につながることのないよう説明することが趣旨であり、それについて対中交渉を行うものではないとしている。バイデン政権が安易な対中妥協を行おうとしているとの議会共和党からの批判を意識していることがうかがえる。

[中国] 8月27日、国家統計局が発表した統計によると、7月の鉱工業部門企業利益は前年同月比▲6.7%、1~7月は▲15.5%だった。6月の同▲8.3%、1~6月の同▲16.8%からそれぞれ減少幅が縮小したものの、7か月連続で減少となった。経済再開後の回復が失速し、需要の減退が経済を圧迫しているとみられる。全体の7割を占める製造業が▲18.4%の2兆7,694億2,000万元、採掘業は▲21.0%の7,827億4,000万元だった。一方、電力・熱・ガス・水の生産・供給業は、+38.0%の3,918億2,000万元となり、大きな伸びが続いた。

[台湾] 8月28日、鴻海精密工業(フォックスコン)前会長の郭台銘氏が、2024年1月に実施される台湾総統選に無所属として出馬すると表明した。郭氏は前回の総統選にも出馬し、今回も国民党の総統選候補に立候補したが、候友宜氏に候補指名争いで敗れた。郭氏は、総統選に出馬した4名(ほか3名は頼清徳氏、柯文哲氏、候友宜氏)の中では支持率が最も低く、同氏の政策志向としては国民党に近いため、野党3党の票を分散することになり、郭氏の出馬は与党・民進党候補である頼氏に有利に働くとみられている。

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