デイリー・アップデート

2023年8月25日 (金)

[米国/ロシア] 8月23日、モスクワ郊外に墜落した自家製ジェット機に、ロシア民間軍事企業ワグネルを率いていたプリゴジン代表が搭乗しており、同氏の死亡をプーチン大統領が確認した。バイデン米大統領は同墜落事故について事実は不明とした上で、「驚いてはおらず、プーチンが背後にいない出来事はロシアではあまり多く起こっていない」と発言し、プーチン氏の関与を示唆した。プリゴジン氏は2023年6月に反乱を起こしてショイグ国防相らの辞任を要求したが失敗に終わっていた。

[中国/グアテマラ] 8月20日、台湾と国交を維持するグアテマラで大統領の決戦投票が行われ、汚職撲滅を訴えたベルナルド・アレバロ氏が当選した。同氏は、台湾との関係を維持しつつ中国との貿易を拡大させていく意向を表明している。2024年1月14日に就任し、任期は4年。グアテマラと中国の貿易総額は、2012年の13億ドルから2022年には48億ドルと3.7倍にまで拡大している。グアテマラの中国向けの輸出の主要品目は、フェロアロイ、ニッケル、コーヒーなどであり、中国からの主な輸入品目は、放送機材、車両、タイヤなどとなる。

[日本] 総務省によると、8月(中旬速報)の東京都区部の消費者物価指数は、前年同月比+2.9%となり、2022年9月(+2.8%)以来の2%台になった。生鮮食品を除く総合も+2.9%と、2022年9月以来初めて3%を下回った。これらの数値には、電気・ガス価格激変緩和措置事業によって、エネルギー価格が▲15.9%と低下した影響が表れている。また、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は6月と同じ+4.0%であり、2か月連続で4%台と、物価の基調は強い。

[中国/日本] 中国政府は、福島第一原発の処理水放出を批判し、中国国内におけるネガティブ・キャンペーンを継続している。8月24日、中国外交部報道官は「食の安全と人民の健康を守るために必要なあらゆる措置を講じる」と述べ、すでに福島を含む10県からの食品や、日本からの水産品の全面輸入停止の措置をとっているが、輸入禁止対象がさらに広がる可能性があり、中国国内における抗日活動などへの展開も不安視される。中国国内の一部では、人々が塩を大量に購入する動きがあり、中国塩業集団は、塩の安定的供給を示し、人々に「合理的な消費」を呼びかけている。

[トルコ]  8月24日、トルコ中央銀行は金融政策委員会を開催し、政策金利を7.5%pt引き上げて25%とすることを決定した。事前予想では20%への利上げと見られていたので、予想を大きく上回る利上げとなった。利上げは3か月連続。これを受けて通貨リラも約6%上昇し、1ドル=25リラ台まで回復した。しかし7月のインフレ率は47.8%で、依然実質金利は大幅なマイナスとなっている。長い間利上げに反対し低金利政策を続けてきたエルドアン大統領が、エルカン新総裁による利上げをどこまで許容するのか注目されている。

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