デイリー・アップデート

2023年8月21日 (月)

[米国/ウクライナ/オランダ/デンマーク] NATO加盟国であるオランダとデンマークは、両国がそれぞれ保有している米国製F-16戦闘機をウクライナに供与する方針を示していたが、8月18日、バイデン大統領は、両国による同戦闘機の対ウクライナ供与を正式承認した。米国が同盟国に対して供与したF-16戦闘機を第三国に再輸出するには、米大統領の承認が必要となる。ウクライナ空軍のパイロットはF-16戦闘機の飛行訓練や語学研修が必要なため、2023年末までに同戦闘機がウクライナ戦闘で投入されることはない。

[マレーシア] 8月18日、中央銀行は2023年第2四半期(4~6月)の実質国内総生産(GDP)成長率は、速報値で前年同期比+2.9%だったと発表した。第1四半期の+5.6%から減速した。外需の低迷が伸びを押し下げた。内需は鈍化したものの、堅調さを維持した。内需の鈍化は、経済活動が本格再開した前年同期からの反動が少なくなったこと、鉱業分野での稼働率が低下したこと、猛暑による農業セクターの生産が減少したことなどが反映されたためとみられる。

[日本/中東] 9月上旬にサウジアラビアで、日本と湾岸協力会議(GCC)の外相会合が開催されることが明らかになった。2023年7月に岸田首相がサウジを訪問した際に、ブダイウィGCC事務総長との間で、今後日本・GCC外相会合を定例化することで合意していた。2024年から交渉再開予定の日・GCC自由貿易協定、次世代エネルギー分野での協力、イランの核開発などに関して議論されるとみられている。なお、岸田首相は9月中~下旬の国連総会一般討論演説で米NYを訪問する際に、イランのライーシ大統領と会談することでも合意したと報じられている。

[米国] 8月20日、トランプ前大統領は、8月23日に実施される共和党大統領候補による討論会には参加しないと表明した。討論会参加のための諸条件を満たしている共和党候補はトランプ前大統領を含め8名とみられているが、同氏に対する党内支持率は約54%と圧倒的な優位にある(次点のフロリダ州知事は15%)。トランプ前大統領は、自身の大統領としての実績は明らかであり、討論会に参加する必要はないと説明している。討論会参加候補は、党予備選の勝者の支援を誓約する必要があり、前大統領はそれを嫌ったのではないかとの観測もある。

[中国] 8月21日付の香港紙SCMPが、中国の水素生産が需要を上回り、過剰供給リスクに直面していると報じている。中国国家発展改革委員会が2022年3月に「水素エネルギー産業発展中長期規画(2021~2035年)」を発表したが、これを受けて複数の地方政府が水素生産に関する野心的な計画を発表した結果、その生産量の合計は国家目標をはるかに上回っているものの、水素輸送や貯蔵のためのインフラや消費需要が追い付いていない。水素燃料電池と水素燃料電池電気自動車(HFCEV)産業は、コスト、規模の経済、技術の成熟度でリチウムイオン電池とEV産業に大きく後れをとっており、政府補助金や炭素価格の引き上げを含む広範な排出権取引システムなどの政策支援が必要だとしている。

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