2024年2月2日 (金)
[ユーロ圏] EU統計局(Eurostat)によると、1月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)は前年同月比+2.8%となり、2023年12月の+2.9%から上昇率を小幅に縮小させた。内訳をみると、食料が+5.7%、エネルギー以外の工業製品が+2.0%と12月に比べて上昇率を縮小させている。下落が続くエネルギーは▲6.3%となり、12月の▲6.7%からマイナス幅をやや縮小させた。また、サービスは+4.0%と、11月以降上昇率が保持されている。
[ウクライナ] ウクライナのザルジニー国軍最高司令官はCNNへの意見記事で、同国の官僚がウクライナの防衛産業を阻害しており、2024年には「訓練と戦争の新たな哲学」が必要であると述べた。同氏は2023年秋に戦況を「行き詰まり」と表現したのに対して、ゼレンスキー大統領が異論を唱え、両者の不和が指摘されていた。CNNによると、ゼレンスキー大統領は近くザルジニー最高司令官を解任すると報じている。
[中国/ウクライナ] 2月2日、ロイター通信は、駐ウクライナ中国大使がウクライナに対し、「国際的な戦争支援企業」リストから、直ちに中国企業を削除するよう要求したと報じている。ウクライナ政府は、中国企業14社を含む世界の48の企業を、ロシアの戦争活動を支援する戦争支援企業と指定している。2023年8月に設置された新しい黒海航路を通じてウクライナから輸出される食糧、金属、鉱石などの輸出品の約3割は中国に輸出されているが、ウクライナ側には、この削除に応じなければ、中国が同国との輸入を縮小させるなど圧力を強める可能性について懸念する声もあるとしている。
[トルコ/イスラエル/パレスチナ] 2月1日午後3時頃、トルコ北西部コジャエリ県にある米P&G社の工場に銃を持った男が侵入し、7人の工場職員を人質に立てこもった。約9時間後に犯人がトイレに行った隙に警察が突入し、人質は怪我無く解放された。犯人は拘束され、犯人は「ガザでのイスラエルの虐殺を止めることが目的だった」と表明した。現在トルコ国内では、パレスチナ人への圧倒的な支持とイスラエルとそれを擁護する米国に対する怒りが渦巻いており、ガザでの状況が長引くことで過激派やテロリストがそれを理由に行動を起こすことが懸念される。
[インド] 2月1日、財務省は、2024/25年度(2024年4月~2025年3月)の暫定予算案を発表した。同案によると、歳出総額は、前年度の当初予算比+6%の約48兆ルピー(約85兆円)で、公共インフラを中心とした資本支出は+11%の約11兆ルピーに達している。シタラマン財務相は、貧困層や女性、若者、農家の地位向上を最優先事項に据えた予算編成を行ったと強調している。2024/25年度の財政赤字(見通し)はGDP比5.1%で、2022/23年度の実績は6.4%、2023/24年度(修正)は5.8%の見通し。この暫定予算案の有効期間は、5月の総選挙による新政権発足の前までとなる。
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