2024年2月27日 (火)
[ドイツ] ハーベック副首相は、気候変動対策として海洋サイトでの地下炭素貯蔵を可能にする計画を進めていることを明らかにした。ドイツは2045年までに、二酸化炭素(CO2)排出量を「実質ゼロ」に削減することを目指しており、同氏は技術的解決策を早急に導入すべき状況にあると述べた。同国は、炭素管理戦略としてCO2の輸送と海底での貯蔵を可能にする法整備に取り組んでいる。排他的経済水域内でのみ適用される予定で、陸上にCO2の保管場所を認めることはないとしている。ただし、州政府の承認によって陸上でのCO2保管実施を認める可能性を示唆するなど、将来的な検討余地を残している。
[インドネシア] 国家戦略食料価格情報センター(PIHPS)によれば、2月26日時点での低品質米の1キログラム当たりの価格は、前年同期比で+20%の14,500ルピア(約140円)と大幅に上昇している。2月22日には、スリ財務相がコメ価格の高騰による物価上昇率の高まりについての懸念を示していた。1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で+2.57%と、インフレ目標である1.5%~3.5%の範囲内に収まっているものの、そのうち食材・飲食品・たばこ類は+5.84%と大幅に上昇した。鶏肉や鶏卵、赤トウガラシ、ニンニクなどの価格も上昇している。スリ氏は、断食月と断食明け大祭(レバラン、2024年は4月10日から11日)で食料需要が高まるとみられることから、食料価格を安定させることを課題として挙げている。
[日本] 総務省「消費者物価指数」によると、1月の消費者物価指数(総合)は前年同月比+2.2%だった。2022年4月以降、22か月連続で2%を上回った一方で、上昇率は政策効果などもあって縮小傾向にあり、2%割れが迫っているともいえる。生鮮食品を除く総合(コア指数)は同+2.0%となり、足元の2%超の物価上昇局面が始まる前の2022年3月(+0.8%)以来の低い伸び率になった。なお、サービス価格の上昇率が財価格のそれを上回ったが、この逆転は2021年3月以来のことだった。
[コートジボワール] 2月16日、国際通貨基金(IMF)とコートジボワール政府は、約13億ドルの強靭化・持続性ファシリティ(RSF)による気候変動対策プログラムについて実務レベルでの合意に至った。同国は2025年までに上位中所得国入りを目指す国家開発計画をもとに、内需のけん引により年6%台の成長が見込まれているが、最大輸出品のカカオ豆をはじめ農業に依存する経済のため、気候変動対策や持続的な森林管理が急務となっている。2023年の異常降雨により西アフリカ各国のカカオ生産量は大幅に減少し、国際市場でのカカオ豆の先物価格は史上最高値の更新が続いている。
[パレスチナ/米国/イスラエル] 2月26日、パレスチナ自治政府(PA)のシュタイエ首相がアッバス大統領に辞表を提出し、受理された。シュタイエ首相は、次の首相が決まるまで暫定の首相として任務を果たす。現在イスラエルがガザで行っている軍事攻撃が終わった後のガザを、誰が統治・管理していくかという協議の中で、米国はアッバス大統領に対しPA内の大幅な改革を求めていた。米国やアラブ諸国などは、戦後のガザの統治はPAが主導すべきとの考えを示しているが、イスラエルのネタニヤフ首相はその考えを拒否している。
[ブラジル] ボルソナロ前大統領は、支持者らに対して政治集会への参加を呼び掛けていたが、2月25日、2022年10月に行われた大統領選挙決選投票での敗北後、初めての政治集会を開催し、サンパウロで推定約18万5,000人の支持者らを集め、依然として根強い政治的影響力を維持していることを誇示した。次期ブラジル大統領選挙は2026年に実施される予定だが、ブラジル高等選挙裁判所(TSE)は2023年、ボルソナロ氏に対して8年間公職に出馬することを禁じる裁定を下している。
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